| 20230706(了) |
映画『ザリガニの鳴くところ』
| 監督:オリヴィア・ニューマン/デイジー・エドガー=ジョーンズ |
| テイラー・ジョン・スミス/ハリス・ディキンソン/デイヴィッド・ストラザーン |
| 音楽:マイケル・ダナ/テイラー・スウィフト |
| 2022年製作/125分/米/原題:Where the Crawdads Sing |
| <★★★△> |

| ミステリー系小説の映画化。ディーリア・オーウェンズの原作小説を読んで |
| みたいとは思ったものの、多分いつも通りで読めないだろうし、と評判も上 |
| 上らしい映画を鑑賞。 |
| 話は1960年代半ばぐらいから始まっていたか。 |
| ノースカロライナの広い湿地帯にある古い見張り台(20m近い)の下に若者 |
| の死体。殺人犯だと疑われたのは湿地帯に一人で住む若い娘。彼女は捕まり |
| 裁判になる。彼女を小さいころから知る弁護士が担当を申し出る。 |
| 彼女と弁護士の会話から、あるいは裁判の進捗に従って、話が遡って始めら |
| れる。 |
| 湿地に住む一家が、暴力的な父親のために母、兄弟3人、そしてしまいには |
| その父親もいなくなる形で離散してゆく。 |
| 主な語り手は最後に取り残される6才の女の子カイヤ(地域では「湿地の娘」 |
| という人格を無視したような名でしか呼ばれない)。 |
| 家族が帰ってくることを念じつつ一人で生きて行く。彼女が獲ってくるムー |
| ル貝を買ってあげることで彼女を助ける店の心優しい黒人夫婦しか、幼少時 |
| 代には見ていてくれる人はいない。 |

| 少し大きくなってからは彼女の生活圏に優しい男の子テイトが入り込んでき |
| て長じるにしたがって色々な常識や手習いや本を読むことなどを教えられ、 |
| 恋愛感情にまで発展するも実らない。自然観察に長けていた彼女は始めは特 |
| に貝の観察と記録付けをしていて(後年はさらに対象が広がって行く)、テ |
| イトには出版を試みてはと言われたりもする。 |
| 恋が実らず大人になった彼女は、依然一人でいるが、次に言い寄ってきた地 |
| 元の有力者の息子らしい若者チェイスと親しくなる。このチェイスが死体と |
| なる。さてさて、というようなことです。 |

| 彼女は事件のことは知っていそうなのだけれど、そのことはほとんど発言し |
| ない。 |
| 彼女の発言で一聴突出して聞こえたのは「自然には善悪はない」という言葉 |
| くらいだったでしょうか。生物学関係などではまま出てくる。ここでは目立 |
| ついい言葉であって、真理そのものなんだけれども、ちょっと浮いてしまっ |
| たか。それともこの場面では「役に立った」か。 |
| 裁判シーンが度々出てきながら、謎解きに拘った作りではないようでした。 |
| 原作はさっきの言葉も生きる、もう少し文学的なアプローチがされていたの |
| かもしれません。それは例えば最後のシーンからでも明らかなのかも(?) |
| 美しい情景描写も多く、納得はしました。ただ、湿地と密林が両方あるので |
| しょうが、それがうまくつながっていないような描写がちょくちょくあって、 |
| ケチではないものの、ちょっと気になりました。本筋とは何の関係もないよ |
| うに作ってはあるものの。 |
| 映画ってのは、そんなことが時たまはあって、「そんなん気にせんでもええ |
| やんか」と言われても、なんだか引っかかったままになってしまうことがあ |
| ります。そんなの、作る際のただの都合なんだから悩んだりしないようすべ |
| きですか? 案外いろいろある微妙な線だね。 |
| 気になるときもならない時もある。今回は気になりました。 |