休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

タンスマン:ソロギターのための作品全集 第1集

20230218(了)

タンスマン:独奏ギターのための作品全集 第1集

 Alexandre TANSMAN(1897-1986)

        ;Complete Works for Solo Guitar1

 

ポーランド風舞曲(1962) 6:52 …世界初録音

 ①ガリアルド ②ドゥムカ ③舞曲

カヴァティー(1950) 13:30

 ④第1曲:前奏曲  ⑤第2曲:サラバンド  ⑥第3曲:スケルツィーノ

 ⑦第4曲:舟歌

華やかな舞曲(1952) 2:52

ギターのための小品(1965-1968頃) 7:43

 ⑨ワルツ=カプリース  ⑩良く知られた舞曲

 ⑪ブルレスケ  ⑫子守歌―オルゴール  ⑬練習曲

レフ・ヴァウェンサ(ワレサ)へのオマージュ(1982) 3:43
マズルカ(1925) 5:54

4つのマズルカ(1967) 11:01 Quattro tempi di mazurka

 ⑯ Moderato  ⑰ Rondo―Vivo  ⑱ Allegro ma non troppo

 ⑲ Allegro giocoso

ポーランド組曲(1962) 13:08

 ⑳Entrée 序奏  ㉑Gaillarde ガリアルド

 ㉒Kujawiak クヤヴィアク-マズルカ・レンテ

 ㉓Tempo di polonaise ポロネーズのテンポで

 ㉔Kolysanka No.2 コリサンカ 第2番

 ㉕Oberek – mazurka vive オベレク-マズルカ ヴァイヴ

 

 アンドレア・デ・ヴィティス(ギター)
 録音 2018年10月22-24日 Tot.65:07
 St. Paul's Anglican Church, Newmarket, Ontario
 CD/器楽曲/ギター/Ⓟ&ⓒ2019 Naxos Rights(Europe)Ltd.独/輸入
 <★★★☆>

<メーカー惹句> 存命中は優れたピアニストとして名声を博したタンスマン。しかし
現在では、セゴビアのために作曲した一連のギター作品が良く知られています。
タンスマンとセゴビア1920年代にアンリ・プルニエールが編集長を務めてい
た雑誌「ラ・レヴュー・ミュージカル」の活動の一環として催された夕食会で
初めて会ってからというもの、ずっと長く信頼関係を結んでいました。その夕
食会では、タンスマンはセゴビアが“フラメンコ”を演奏するのでは、と期待して
いましたが、セゴビアが演奏したのはバッハのシャコンヌ。この時の素晴らし
い演奏に圧倒されたタンスマンは瞬時にセゴビアに関心を抱き、彼のためにギ
ター作品を書くことを決意したのです。まず書かれたのが、まばゆいばかりの
マズルカ」であり、以降、タンスマンがこの世を去るまでの57年間に多くの
作品が生まれました。セゴビアもこれらの曲を心から愛し、折りにふれ作品を
演奏、作品の普及に尽力しています。この第1集では若きギタリスト、ヴィティ

スが演奏する様々な組曲と舞曲を収録。タンスマンのセゴビアに寄せる思いが

伝わる演奏です。

 
長い惹句には大半セゴビアのことが書かれています。
これを読んで、少しめげましたが、贅沢は言えません、ちゃんと聴いてみまし
た。アルバム全部がギター一本だけというと、どうしても単調に感じてしまう
のですが、このアルバムは、押しつけがましさがなく、かつ心地よかった。
さて、これ以上どう書いていいものか・・・
 
はじめは「ポーランド組曲」なんだが、ワタシにはポーランドは思い浮かべ
られなかったのみならず、その後も聴く曲の大半が国籍不明。
ギター独奏にしてしまうと、⑮から⑲までのマズルカが、ショパンマズルカ
を意識するせいか、マズルカに聞こえないのね。
結局すべてがそうなんじゃないかしらん。
あえて言うなら「ラテン系」というニュアンスですね。タンスマンを考えると
フランス色を意識するが、それはわからない。スペイン、ポルトガル、中米、
南米などを広く淡く混ぜた感じに聞こえてしまう。いい悪いというわけじゃあ
りません。そして、その「淡さ」というのがいい。
特筆すべきなのはその温かさだったでしょうか。
 
どれも甲乙つけがたい心地よさに満ちた曲たちでしたが、ワタシとしては、締
めくくりになっている後ろの「ポーランド組曲」が最も気に入りました。爽
やかさ、涼やかさ、などが最もいけてました。
譬えて言えば、モンポウ(大好きなのです)の寂しげなタイプのピアノ曲をギ
ターにアレンジしたみたいな感じでしょうか。