20220816(了) |
JULIE LONDON
4CD・EIGHT CLASSIC ALBUMS Vol.1
2・3・4/4
<DISC2> |
〈3〉CALENDER GIRL(1956) ①-⑬ ★★★★△ |
ピート・キング(arr.) |
〈4〉ABOUT THE BLUES(1957) ⑭-㉕★★★☆ |
ラス・ガルシアと彼の楽団 |
<DISC3> |
〈5〉MAKE LOVE TO ME(1957) ①-⑫ ★★★☆ |
ラス・ガルシア(Leader) |
〈6〉JULIE(1957) ⑬-㉔ ★★★ |
ジミー・ロウルズ楽団 |
<DISC4> |
〈7〉JULIE IS HER NAME Volume 2(1958) ①-⑫ ★★★★ |
レッド・ミッチェル(b)、ハワード・ロバーツ(g) |
〈8〉LONDON BY NIGHT(1958) ⑬-㉔ ★★★★ |
ピート・キング(Leader.) |
2019年/CD/4枚組/ヴォーカル(ジャズ系)/REEL TO REEL/輸入/中古 |
<DISC2> |
<3>「カレンダー・ガール」って、昔のアメリカのヒット曲(ニール・セダカ) か? と思ったら、全然ちがって、ほっとしました。 |
1月から12月まで各月を主題とした12曲を順番に並べ、バンド13に「13 |
番目の月」というタイトルの曲をつけ加えて締めている。発想はありふれて |
いるとは思うものの、これが案外いい曲が多い。バラードが多いが単調だと |
いう感覚は持たなかった。見事に素敵な曲が揃っていて、スタンダードなも |
のも含まれているかもしれない。⑨の9月は知ってます。一曲一曲は概して |
短い。モノーラルなのに、声だけでなくオケも豊か。時々付く男声コーラス |
が古臭いけど、、、なんとなく、音の奥行きのみならず広がりを感じる。 |
すばらしいアルバム。(オリジナルアルバムのジャケ写は酷そう) |
<4>「ABOUT THE BLUES」 聴いているとこれってブルースなのという疑問が出て来ましてね。ワタシも |
よくわかっているわけじゃないけれど、黒人から生まれたもの。 |
でもここに集められている曲は、歌詞にブルースという言葉が入っているだ |
けと考えればいいみたい。やや粘る歌い方を意識はしているものの、彼女自 |
身もオケもアレンジャーも、普通のヴァ―カルアルバムのセンスで作ってる |
んじゃないかしらん。はじめの曲なんか、ブワーッとブラスが鳴るもんだか |
ら、ちょっと構えちゃったが、だんだん普通にしんみりした曲が大半になっ |
て、最後の㉖BOUQUET OF BLUES なんて、BOUQUETがフランス語だからか、 |
そりゃわからんが、フランス近代の木管アンサンブルのサウンドみないなの |
が鳴りましてね、あれぇー・・・ですよ。 |
<DISC3> |
問題の3枚目。 なに、問題かどうかだって、わかりゃせんのです・・・ |
つまり、、、この辺りのアルバム<5>MAKE LOVE TO MEが、色香を押し出 |
したもので、こういうのに対して、純真うぶな頃のワタシが、ガキとして違 |
和感を抱いた(≒妄想した)んじゃないか(ex.タイトル曲⑫)と想像した。 果たして・・・ |
たしかにねぇ、大人の恋心や色気があって、ムードたっぷりのいいバラード |
集。スタンダードナンバーもたっぷり(⑤⑨⑩⑪など)。でも、アルバムと |
してはむしろ個性不足かも。 |
第2集でもきっと書いたんだろうが・・・結論としてはなんの「問題」もな |
かった。声自体は、あまり個性的でもないハスキーヴォイス。ここまでのス |
ローテンポでよく崩れないもので(ex.③)、むしろ感心してしまう。 |
モノーラルとしてはいい音質。リマスターもきっとうまくいっている。オケ |
の残響は長め。(曲の切れ目がひどく短い。次のアルバムも同じ。) |
<6> 名前JULIEがタイトル。ここから「ステレオ」ですな。若干へんな音の 分かれ方。だいたいジャズだと1957年から1958年にはステレオに変わった。 |
クラシックはもうちょっと前で、1956年頃だったと記憶している。 |
ぐっとジャズ系のアレンジで、音の作りがこれまでとだいぶん違う。⑮で珍 |
しや、ヴァイオリンソロが入る。ここでの音質は、モノの最後の<5>より落 |
ちる。歌唱もそうかも。ジャズを意識したからかもなぁ。⑬⑯は誰でも知っ ている超有名曲。 |
<7>JULIE IS HER NAME これはね、Volume2 とある通りで、<1>のと同 じように、ギターとベースをバックに歌うスタイルを採っている。 |
「ブルー・ムーン」で始まるアルバムの音が3人だけのものなのに、広がりも |
色彩も格段に豊か。ベーシストの名は記憶しているが、このうまいギタリス |
トは知りません。 |
<1>のしっとり感は同様でも、違うのは明るさ、かな。その分軽くなった。 |
そして、技量のみならず貫禄のようなものも加わった。スローテンポとミデ |
ィアムテンポのバランスよく、3年後のもはやベテラン歌手のとても趣味の |
いいジャズ・ヴォーカル・アルバム。Vol.1と並べて聴くのもいいかもね。 |
<8>LONDON BY NIGHT <3>の「カレンダー・ガール」のアレンジャーの楽団のようで、優しい、ほ |
とんど甘ったるい音作りが似ている。1958年録音であることから、音は |
悪くないものの、あまり広がりが感じられない。音のレベルが揃っていない |
ところもあるが、多分これはこのCDだけのことでしょう。歌唱は<7>同様、 とてもよろしい。 |
タイトルの「ロンドン・バイ・ナイト」は、こういうタイトルの曲があって、 |
ワタシはシンガーズ・アンリミテッドの歌唱で覚えた。素敵な曲でね、ここ |
に入ってないのは残念。つまるところ、英国の首都の名でなく、彼女の苗字 |
を使った洒落のタイトルというだけらしい。 |
個々曲までは書くつもりはありませんが、一つだけ、⑱で不思議な転調が続 |
くもので、どうなったんだ!と、思わず聞き耳を立ててしまいました・・・ |
<1>~<6>のレコードジャケットの写真を虫メガネで眺めてみたところ、 |
とてもじゃないが趣味がいいとは言えない。お色気作戦的な売り方のために |
こういう格好をさせられたんだなぁ、とわかるだけ。 |
ハイ、見開きの紙ジャケットにしまい、聴き終わりにします。 |
仕事中にもかけたりしていました。問題にならない時間帯になってから、ね。 |
(エントランスを挟んで向かいは市役所の分所ですから) |
同僚のオッサンも若者も、この歌手名は知らないと言っていました。そりゃ |
あこちらにとっても、都合がいい・・・ |
各アルバムの出来のムラはあまりないとは思うものの、最後のCD4,<7>と |
<8>が、4枚中で最もいいのではないか。それと、本来の好みとは若干ズレ |
があるけれど、そう、<3>の「カレンダー・ガール」。 |