休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『モロッコ、彼女たちの朝』

20220803(了)

映画『モロッコ、彼女たちの朝』

 監督・脚本:マリアム・トゥザニ//ニスリン・エラディ/ルブナ・アザバル
 2019年製作/101分/モロッコ・仏・ベルギー合作/原題:Adam/DVDレンタル
 <★★★★>

イスラムの世界では大なり小なり、こうした女性の地位の低さが問題になって
いるだろうことは、知識としては一応持っているんだけれど、国によっての程
度の差はあるらしく、ここモロッコでは非常に厳しいとのこと。
 
カサブランカの街を、臨月を迎えている未婚女性サミアが仕事を求めて彷徨っ
ている。一方、夫に先立たれた母娘がつましくパン屋を営んでいるが、特に母
親のほう、アブラは心を閉ざしがちで、寂しさを乗り越えられない。
それでも、サミアの窮状を見かねたアブラが助け舟を出してしまい、パン作り
などを通じて両者の濃密な人情劇が繰り広げられる。
 
お互いに助け合うことになるいきさつは、いかにも優しい心根の表われながら、
外では全く通用しないことなのね。
ロッコじゃあ、未婚の妊婦という状態は、逮捕されていないだけの犯罪者だ
ものだから、当然それだけで禁忌。病院で産もうものなら警察が飛んでくる。
よってそんな妊婦を助けるなんてことも、そもそもダメ。
じゃあ放っておいていいのか。たぶんいいんだろうな。
 
サミアの考えは、なんとか生み落とし、すぐに養子縁組してもらい(そういう
システムみたいなものが多分裏にはあるんだろう)、ぺしゃんこの腹に戻って、
なにくわぬ顔をして実家に帰るという計画。
 
サミアとアブラ母娘の関係が濃くなっていくのが素敵なんだけれど、さて、つ
いに(祭りの直前にだったか)生まれてしまう。
サミアの決心はかなり固いものなんだが、素敵な母娘に接し続けていたことも
大きく、生まれてしまったことで、理性と母性の谷間の深さはえらいものにな
って行き、葛藤が延々描かれる。ドキッとするシーンもある。
さて、祭りが終った朝には、サミアはどうすることになるんだろうか・・・
 
この映画、モロッコ社会を動かす力になればいいと思いますが、そりゃ希望で
あって、近々に実現するはずもない。人間、無駄に苦労してしまっているよう
で、つらくなっちゃいますねぇ。

ここに出てきたわけじゃないんだが・・・ヒジャブを付けて競泳しているのも
インパクト(唖然とする!ブルカやニカブじゃ、そもそも競泳はありえない)
がありましたが、あれかぶって宇宙船に乗る図ともなると、やっぱり想像しに
くい。ええい、ついでに、、、

 

最近、どこかの中学だったかな、男女共通の水泳着が開発され、少なくない学
校が採用したとか。その水着の写真が載っていた。紺色みたいだったが、色は
モノクロ写真だったので不明。当然ながら、男子も上半身に着けている。
なんだか泳ぎにくそう!で、思い出した。ハイ、いつもの脱線。

 

(付記)
確かにフェルメールの絵のような色合いと構図が出て来ました。意図的なんで
しょうねぇ。
解説のどこかにはカラヴァッジョの名まで出てきました。好きな画家二人もだ
なんて、ホンマかいな。ただ、カラヴァッジョについちゃあ、あの陰影を連想
するようなシーンは、なかったと思う。