20220710(了) |
ハンス・ツェンダー:Logos-Fragmente
(Canto IX)/32の声と4つのグループ・
オーケストラのための
①~⑨ |
南西ドイツ放送ヴォーカルアンサンブル、シュトゥットガルト |
南西ドイツ放送交響楽団 バーデンバーデン&フライブルク |
指揮;エミリオ・プロマリコ |
録音:2011年12月14&15日、フライブルク・コンツェルトハウス、ライヴ録音/76:57 |
/SACDハイブリッド/③⑤⑧以外世界初録音 |
CD/現代音楽/ⓒ&Ⓟ 2013 WERGO/輸入盤 |
<★★★☆> |
頭打ちの「前衛音楽」、というときの前衛
というのとは・・・
これなんか、全然違うと思うけどネ
Hans Zender(1936-2019)
・・・オーケストラのための なに? Logos-Fragmente はそのまま訳せば |
「言葉の断片」だとか「断章」といったことになるが、後ろに Canto (歌 |
でしょ?)なんてあるから、断片的な歌、なんて感じでしょうか。 |
ツェンダーは、現代音楽で非常に有名ながら、作曲家としてより、指揮者 |
やプロデューサーとして知られた存在だったんじゃないですかねぇ。名前 |
だけはえらい前から知っていました。日本でもおなじみだったと思う。と |
同時に、ご本人が日本や日本の伝統の音楽に興味を持っておられた。 |
シューベルトにはこだわりがあって、「冬の旅」の編曲なんか、ありまし |
たっけ。ラジオで聴いた記憶があります。どんなだか覚えちゃいませんが。 |
さてもさても、この9つのバンド、どれもこれも「現代音楽」っていった |
ら、この曲たちこそが、ワタシの持つイメージにあまりにもピッタリ。 |
それはつまりこの方の日本への影響ってことかもしれませんね。WIKIでは |
そこまでのことは書いてなかったけれど。 |
・・・東洋、特に日本の伝統文化に深い愛着を示し、宗教的には十字架 |
と観音像を一緒に自宅に祭るほど多神教的である。その書法はメシアン |
の単純明快なモザイク様式の考え方をいっそう徹底させ、新しい和声学 |
をダルムシュタットで発表し、セリエリスムとエキゾティズムを共存さ |
せていた。思想的にはローマで出会ったベルント・アロイス・ツィンマ |
ーマンの影響も見られるが、それとは全くタイプが違うラッヘンマンや |
リゲティなどにも深い理解がある・・・ (WIKIから) |
オケの音は日本的かどうか確信がありませんが、そう思わせた一つは木製 |
の打楽器、木魚や拍子木や木琴(まるで鹿威し)のようなもの。もう一つ |
は男声のソリストや合唱が要素でしょうか。 |
無調、セリーの様々な組合せによる徹底的な不協和音(当たり前ですが) |
は常にとは言えないものの、なかなかに魅力的。そして連想させるのは、 |
仏教の読経だとか声明。相当似てるんじゃないでしょうか。 |
お寺で様々な行事に立ち会っているかのよう。 |
もちろんそうしたものを連想させるばかりであるはずもありません、打楽 |
器や男声以外はあまり日本とは結び付きにくい。少なくともワタシには。 |
あちこちでね、ホントにいろんなものを思い浮かべさせられました。映画 |
が多かったかな。 |
一つだけわけの分からぬことを言わせてもらうなら、ピアノの音が時々入 |
るのです。これがせっかくの空想や妄想を破る。譬えて言うなら、現実に |
引き戻されてしまう。(ワタシだけの感覚かもしれません。わかってもら えますかね・・・) |
出てくる言語は、 |
1:英語 2・3・4・6・7・8:ドイツ語 5:ギリシャ語・ドイツ語 |
9:ドイツ語・ラテン語・ギリシャ語 |
2,4,6,7ではマルチン・ルターの名があるし、他にも聖人ぽい名やマグ |
ダラのマリヤだの「詩篇」なんて言葉だのもあるので、これが宗教的な代 |
物、聖書由来だということは、いくらなんでもわかります。お寺さんの中 |
にいるみたいな印象もあながち間違いじゃないのかもしれません。 |
宗教的には十字架と観音像を一緒に自宅に祭るほど多神教的 だとWIKIに書いてありましたし。 |
でもワタシは基本、音を聴いているだけ。往々生々しく物々しい。ちょっ |
と前に聴いたクレメラータ・バルティカの血の気のない― 生命反応の乏し |
い ―『シレンシオ』とえらい違い。今どき、流行っているはずもないに違 |
いない「現代音楽」、でもそれがいろいろあって楽しいんだから、まぁ、 |
こういう焦点ボケで成長が見込めない鑑賞記も許してもらいましょう。 |