休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『少年の君』

20220621(了)

映画『少年の君』

  デレク・ツァン監督//チョウ・ドンユイ/イー・ヤンチェンシー
  2019年製作/135分/中国・香港合作/原題:Better Days/DVDレンタル
  <★★★☆>

この作品、見事に中国の政治的な、あるいはイデオロギー的な琴線に、まず
い触れ方をしないで描いた作品。「いじめ」が主題のものでした。
当たり前に、ちょっと前までは中国でもこんな話がいくらでもあったんだが、
今は、、、と、ある種のプロパガンダでもあるかもと思いました。ひねくれ
てるかなぁ。解説じゃあそんなことは書かれない。
 
〈映画.com 解説〉から: ・・・進学校に通う高校3年生の少女チェン・ニェ
ンは、大学入試を控え殺伐とした校内で、ひたすら参考書に向かい息を潜め
て日々をやり過ごしていた。しかし、同級生がいじめを苦に飛び降り自殺を
遂げ、チェン・ニェンが新たないじめの標的になってしまう。彼女の学費の
ため犯罪まがいの商売をしている母親以外に身寄りはなく、頼る人もいない。
そんなある日、下校途中の彼女は集団暴行を受けている少年を目撃し、その
少年シャオベイをとっさに救う。優等生と不良という対極的な存在でありな
がらも、それぞれ孤独を抱える2人は次第に心を通わせていく・・・
 
で、この解説の近くには、
 ・・・一見、このように社会派的な善導目的のお題目を掲げているものの、
 それは表層的なものにすぎず・・・
とあって予想通りで、逆の見方もあるわけですが、まぁどちらが正しいとも

言えません。

そんなに気張る気もないので、どちらでもいいです。ハイ。
 
直接関係などないのですが、復旦大学だったかの学生何人もが、あまりにも
国のやること言うことに、右へ倣え的な信じ切った発言を皆ハンで押したよ
うにやるのを、ある討論番組で観ておぞ気をふるった。忘れられなくてね、
つい思い出すのです。その感じはどんどん進んでいます・・・
新疆ウイグル自治区の「教育」もうんと進んで「完成」間近・・・)
(香港の苦心の作品・・・)
復旦大学の学生は、今の中国は立派な民主主義だと言っていたなぁ。
他国の大学生は「そういう」民主主義って、民主主義とは言わない、とは
言わなかった、気を使ってか・・・
 
ハイ、ひねくれすぎです、やめやめ・・・
いじめはかなりいやらしく描かれてはいるけれど、SNSを用いてのとんで

もない広がりはなく、根も範囲も狭くて救い難いものでもないようでした

・・・。

そして、ミステリーは上手に、純愛は素敵に描かれていました。

カミサン、観ていたらグスグス泣いちゃったんじゃないか。

 

いじめって、やる側はある種のバランスの感覚なんでしょうね。人間のど

んな社会でだって起きる。だから、泣くこたぁないんだけど、見れば反応

はそこそこしてしまう。間違いなく人間(性)の根源から発するから。

興味深かったのは、机の上に置いたままになっている教材の山だとか、教
師の鼓舞のしかた、大学に入って「一流の大人」になれだとか、統一試験
があるとか(科挙を連想したが、当たり前か)、問題用紙や答案用紙が一
人一人しっかり袋詰めされているとか、その答案の袋がどんなところに保
存されるかだとか。
ワタシが知らないだけかもしれませんけどね。こうしたことがなんだか珍
しかった。