休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『プロジェクト・ユリシーズ』

温暖化が進み放棄された地球・・・

20220604(了)

映画『プロジェクト・ユリシーズ

 ティム・フェールバウム監督//ノラ・アルネゼデールイアン・グレン
 音楽:ローレンツ・ダンゲル
 2020年製作/104分/G/独・スイス合作/原題:The Colony/DVDレンタル
 <★★★△>

先日観た『カオス・ウォーキング』も太陽系の外の星に移住した人類を描いた
SFだったわけですが、これは「せっかく移住したのに、実は」という、たまた
ま、その先に当たるような話。
戦争・汚染、気候変動などで地球に住めなくなった結果、人類が移り住んだ星
は、ケプラー209という。ところが、どういうもんだか(・・・)人類の生殖
機能がダメになってきて、こら人間滅びてまう、いっそ地球に戻ってみたらど
ないやろ(案外住めるように戻ってるんちゃうか?)と期待を持って計画する。
試しにカップルなどしっかり調査し決めて、地球に送る。
行くにしても帰るにしても、ハイバネーションなんてものが必要だろうし、そ
れを用いても、何世代もかかるように思うが、描かれない。ま、その辺はうる
さく言わない・・・ 
 
1回目の調査移住の 着陸船(ったって小さなポッドなんだが)から連絡が来
ないまま、2回目が地球に着くも、トラブルで結局僅かしか生き残れない。1
回目には実は生き残った女の父親(計画の言い出しっぺ?)が含まれていた。
人類の存続を賭けた計画の名が「ユリシーズ計画」。
 
着いた地球は温暖化でどうやら大半が海に没していて、干満の差で陸が現われ
たり没したりする。というか、そういう場所に住んでいるようで、生き残った
人類がいた。まるでムツゴロウやね。「泥の民」なんてピッタリの名。赤ん坊
がいるので、生殖能力のあることがわかる。
そもそも、映画の原題は「The Colony」とあったが、観始めてみればすぐに
「TIDES」というタイトルが載る。ああなるほど、それならわかる。なら
ばこっちが本当の原題にちがいない。潮の干満がすごいということだろうな。
見渡す限り「干潟」という特異な環境。放射能はない。温度差で出るらしい水
蒸気で、見晴らしが利かない。どこまでも、ひたすらぼんやり。
 
海であった時間帯にポッドから命からがら逃げ出すも、彼女とカップルになる
はずの仲間は、潮が引いた後すぐに襲われ、負傷。囚われている間に、捕まる
わけにはいかないと自死してしまう。彼らを襲ったグループには何故か英語が
通じる者がいる。皆よそよそしい。
ところが、今度はそのグループもまた襲われて、彼女と最初のグループの幾人
かが連れて行かれたのは、干潟に城のように聳え立つ、今はもう使えない巨大
なタンカー。あとのグループはそうした舟を根城にしていて、どうやら1回目
の生き残りが率いているらしい。女は父親が死んだと聞かされる。彼女自身は
助かったと一旦ほっとする。彼女の生殖能力も復活したみたい・・・ 
古いシステムしか残っていないが、頑張ればケプラー209に連絡を送れるかも
しれない。ところが、彼女はこの後のグループについては、考え方の面で何か
しっくしこない、怪しいところがあると感じ始める。さらに、父が絡んだとし
か思えない物事に気づき、父は本当に死んだのだろうかという疑問もわいてく
る。とまあこのへんまでです。
って、十分書きすぎですけどね。
 
巨大干潟のどろんこ世界がなかなか面白いアイデアで、嫌うこともない。
いろんな説明がほしいだけでなく、温暖化の問題を避けて通れないお話。

ともあれ、ひたすら水蒸気の立ち込めたシーンの連続は、気分が晴れにくいで

す、ハイ。

              (このカラーは嘘ネ)

スイスとドイツの合作で、言葉は英語。まあやっぱり英語なんですかねぇ、ドイ
ツ語が好きなワタクシメ、思いっきりドイツ語でもよかったけど、そうもいかな
いんだ。
重めの電子音中心の音楽は、ヨハン・ヨハンソンやグドナドッティルなどの系統
のもの。といっても、それだけ取り出して聴きたいというようなものじゃありま
せんでした。