| 20211208(了) |
映画『リスボン物語』
| 監督・脚本;ヴィム・ヴェンダース//ガブリエル・ゴメス |
| 音楽;マドレデウス他 |
| 1995年製作/104分/ドイツ・ポルトガル合作/原題:LISBON STORY |
| DVD/レンタル |
| <★★★☆> |

| ワタシは特にヴェンダースが好きというわけではありません、嫌いでもない |
| ですけどね。以前に観ようと思ってリストアップしていたところに、なぜか |
| 順番が回ってきました・・・ |
| この映画の鑑賞記ってワタシには書きづらく感じますね。 |
| ネタバレしてしまうからというような理由じゃなく、基本的にワタシの苦手 |
| な「映画のための映画」という範疇にはいるものだから。 |
| 解説だと、老監督マノエル・デ・オリヴェイラを出演させたり、映画100 |
| 年を記念しての作品だったりで、まあ記念の作品という意味合いの濃いもの |
| らしいから、特にドラマに拘ったものである必要はなかったようです。 |
| 芸術家ぶった監督の存在が気になるというものでなかったせいか、実は抵抗 |
| なく観ていることができました。 |
| リスボンにいる監督から届いていた絵葉書に応えて、ヴィンターという音響 |
| 技師が自由に行き来出来るようになったEU内であることもあって、脚のケ |
| ガをおしてボロ車で、多分ドイツからリスボンに向かう。よろよろ、のんび |
| りと。おしまいのほうでは、荷車や通りがかりの車をひっ掴まえて。 |
| 着けば、芸術家が集まっているようなボロいビルの中で、監督はいない。 |
| 戻ってきそうもないが、出入りを許されているらしいガキどもと遊んだりし |
| ているうちに、撮り溜めされているリスボンの街の中でのいろんなモノクロ |
| 映像(実際はセピア色)に、勝手に音を入れる作業を始める。 |
| へんなヤツにカモられたりするのはご愛敬なんだが、上記ガキどもとは別に、 |
| 時々じっとヴィンターを見つめている少年がいて、なんとなく秘密めかした |
| 存在ふうに見せる。でも、この少年も、そもそもこの状況自体も、ミステリ |
| ーめいていても、特にミステリーに拘っているわけじゃなさそう。 |
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『フリードリヒを待ちながら』なんてタイトルにはなりそうもない。いや、 なってもいいか。 |
| 主役のこの音響技師がひょうひょうとして、殆どノンシャラン。彼を中心に |
| して起きることは、すべてどこかコミカルといってもいい雰囲気。 |
| ドイツ語と英語とポルトガル語が出てくる。英語が最も多いかな・・・。 |
| 彼が寝起きする建物から、音楽(歌)が聞こえてきて、声のする方に進むと |
| (これが簡単に行けてしまう)、女声1人と器楽奏者4-5人(みな男)ほ |
| どが練習というより、完成度の高い音楽を奏している。なんと、知られたユ |
| ニット、マドレデウスなのでした。このグループ、ポルトガルだったのです |
| か。ちゃんと歌い奏するのは2曲ぐらいでしたが、BGM的にも何曲か流れて |
| ました。その中の一曲がファドでした。このファド見事!オバチャン声じゃ |
| なく、こんな澄み切ったコブシの利いていない感じのファドもいいもんです |
| ね、初めてです。 |
| この女性/女声(美人)がマドレデウスというグループの中ではセリフが多 |
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く、ストーリーとしては若干ロマンスの匂いも負うことになります。深い意 味はない。 |
| で、ここまでは、“リスボン幻視/幻影”みたいな調子。 |
| そして、突然フリードリヒと遭遇。なんだ、いるんじゃないか・・・ 秘密 |
| めかした少年のこともわかる。 |
| ここからおしまいまでの時間は長くないんだが、調子がガラッと変わえる。 |
| 主にフリードリヒが喋る映画談議、映画というものをすこし哲学してみたら |
| こんなふう、というようなものをほがらかに開陳し、実際に一部実践する。 |
| コミカル。まあ別に一緒に笑ってあげるようなもんでもなかったですが。 |
| 解説ではこの論議だけでなく映画全体を「映画への愛の讃歌」と言ってい |
| る。ワタシにはピンと来ないメンドクサイ論議でしたが、別に考え込むよう |
| なもんでもなさそう。大半の“リスボン幻視”に、プラスアルファの奥行き。 |
| あるいは蛇足的なお遊び。 |
| 殆ど衝動的に音を付けたくなっちゃうオッサンと、意味に拘ってしまいがち |
| な監督とで、リスボンの街、OKです。 |



| 書きづらいと言った割に、いつものようにちゃんとダラダラ書いてしまい |
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ました。近ごろワタシ観ていないタイプの映画だからでしょうか、存外楽 しみました。 |
