休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

『ペトラは静かに対峙する』

20210714(了)

映画『ペトラは静かに対峙する』

 監督:ハイメ・ロサレス// バルバラ・レニー/アレックス・ブレンデミュール/
                 ジョアン・ボテイ/マリサ・パレデス
 音楽:クリスティアン・エイドネス・アナスン
 2018年製作/107分/スペイン・フランス・デンマーク/原題:Petra/DVDレンタル
 <★★★>

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<映画.com>解説から; ・・・カタルーニャの乾いた大地で繰り広げられ
る悲劇の連鎖を描いた。画家のペトラは作品制作のため、著名な彫刻家ジャ
ウメの邸宅にやって来る。彼女の本当の目的はジャウメが自分の父かどうか
確かめることだったが、彼が権力を振りかざす冷酷な人物であることがわか
ってくる。そんな中、一家の家政婦が謎の自殺を遂げ・・・。
章ごとに時系列を前後させながら描き、パズルのピースをはめていくように
家族の秘密が徐々に明らかになっていく・・・
 
 
“章ごとに時系列を前後させながら” というのは、一章が終ると、次でなく、
もう一つ先に行って、それが終ると一つ前に戻るという、スイッチバック
たいな進み方とでもいうか、、、人の世で(まあ、ワタシの周りではない話
だから、物語の中ではと言ったほうがいい)ままあるお話。
身勝手な男の火遊びに翻弄された母娘と、その男の妻の過ちで狂わされる息
子、男に仕える一家の不幸、、、などが交錯しあう。
身勝手な男ジャウメが中心にいる構図なんだが、この男は芸術家としては珍
しく社会的な成功者でもあって、極めて憎たらしいキャラ。 描かれるのは
「母娘」の娘ペトラの目から見たものになっている。ジャウメの目から見た
話にすると、もちろんとんでもないことになるね、きっと・・・ 
物語としてはあられもなく、いたってありきたり(?)だから、こんな時間
の弄り方をしたんでしょうか。音楽も妙に頑張ってました。
 
時間の行ったり来たりのみならず、舞台もマドリッドカタルーニャを行っ
たり来たりする。
でも多く描かれるのはカタルーニャだったようです。
海沿いこそ湿地帯なんかも多いものの、海から離れるとカラッとした感じ。
ここでしっかり横溝正史ばりの(は、ちょっとオーバーだけど)湿っぽい話
が展開する。描かれ方は、死人が二人も出るにしては、この土地らしく「ド
ライ」だったけどね。
 
カミサンは観ないで自室で(庭の)植物関係の本を読んでいたようですが、
気になったらしく、あとで、面白かったかと訊いてきました。
「オマエの好みじゃなかったよ」とだけ。横溝正史の名を書いたわけだが、
だとすると、案外カミサンは面白がったかもしれない・・・ なんてふと思
ったりしました。