休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

フリッツ・ライナー コンダクツ ロシア

20210426(了)

FRITZ REINER conducts ・・・

チャイコフスキー交響曲 第6番 作品74『悲愴』

          ①18:02 ②7:48 ③8:38 ④10:39

ムソルグスキー   ;交響詩『禿山の一夜』 ⑤10:11

チャイコフスキー組曲 第1番 ニ短調 作品43より~小行進曲  ⑥1:58

カバレフスキー ;歌劇「コラブルニョン」序曲 Op.24  ⑦4:46

ボロディン   ;歌劇「イーゴリ公」より~ダッタン人の行進 ⑧4:46

             
    フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団
   録音;①-④ 1957年4月、⑤-⑧ 1959年3月 
   CD/1987年/管弦楽曲/RVC/邦/中古
    <★★★★>
 

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「コンダクツ・ロシアもの」だね。
 
ワタシとしては比較的珍しいCDの(つまり古い曲の)選択になりました。
古典派やそれ以前ではありませんが、ロマン派の音楽を自分で選ぶなん
て。カバレフスキーの曲は初めて聴くかもしれない。
今回手に入れた理由はもちろんライナーの『悲愴』。
LPなるものを買い始めたころの1枚が『悲愴』で、このライナー/シカゴ
響のものだったのです。この時は2枚買って、もう1枚はピアノ名曲集。
ピアニストの名は忘れてしまった。中のシューベルトをよく聴きました。
この『悲愴』はその後のあらゆる『悲愴』の規範になってしまいましたね。
テンポ、パワー、そして感傷的になり過ぎない第4楽章。(第4楽章の最
後のほうはそれでも子ども心に強烈で、涙したもんでした) 規範なんて
オーバーですが、そんなものでしょう。それがもう60年ほども前のこと。
久々に聴いてみて、LPよりすっきりした感じながら、だいたいこんなもの
だったと思います。第一楽章のテンポの揺れには初めて気が付いて、ち
ょっと意外でしたけどね。色々な演奏を聴きましたが、でも第4楽章はい
まだにこの演奏が一番!
懐かしい!

 

懐かしいついでに思い出しました。
「悲愴」は超が付く名曲ですから、妙な演奏なんて知りませんが、好きな
演奏というのはありまして、覚えている一つがなんとショルティ指揮、シ
カゴ響のもの。たしか、あまり高い評価じゃなかったような記憶がありま
すが、試聴盤をもらって一聴、すばらしくてビックリしたものです。同じ
シカゴ響だし、二人ともハンガリー系(ショルティユダヤ系でもある)
だし。バランスが取れ、きちっとして厳しい音楽で、だから共通点が大い
にあったのかな。

 

あとは付録で、LPを買った時には当然入ってなかった。

どれも同じく厳しいねえ。小品といっても手を抜いてない。

「禿山の一夜」はすごく速い。
この曲の最初のLPも思い出深くって、同じRCAのもの。ルネ・レイボヴィ
ッツの編曲・指揮/ロイヤル・フィル。「展覧会の絵」とのカップリング
で、この「禿山」のアレンジがものすごく変わっていた。その後聴いた演
奏が悉く物足りなく思えたものです。指導者レイボヴィッツのことも含め
て、ガキの頃には特異なヴァージョンであることなど知りませんでした。
チャイコフスキー組曲カバレフスキーの曲も、なんとなく聴き覚えが
ありました。テンポが速目、上に書いたように、手抜きのない演奏だけれ
ど、なかなか楽しい。ボロディンはいささか物々しいものの、これはこれ
でいいのかも。
とはいえ、タイラントであったライナーの指揮のもとでは、曲までちょっ
と恐いというか、いかめしいというか、凄味がありすぎるというか、まあ

そんな感じもある。もうちょっとだけ軽くてもいい気もする。「悲愴」に

は非常に合ってたけれど。

 
60年前に、中学校の英語の先生に、ともだちと二人、スバル360に乗せ
てもらって、守山市の商店街のレコード屋まで行って買った記憶がありま
す。『悲愴』はなんとも安っぽいペロペロのジャケットだったなぁ。今か
ら思えばセットものをばらして売っていたか、もしくは中古だったような

感じで、廉価だったはず。ジャケットはオケの写真。映像で記憶している

椅子に座って指揮するライナーではなく立っていたと思う、多分。

いきなりこの演奏にめぐり逢えたのは、そう、なんとも幸運だった。
 
このCDは、シャカリキになって聴いたわけではありません。
古い知り合いに会ったみたいなもんでしょうか。