休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ストラヴィンスキー/プルチネルラ・妖精の口づけ・きつね 他

~20210131

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アンセルメストラヴィンスキー全集 1(3-3)

  ERNEST ANSERMET EDITION - STRAVINSKY(1882-1971)
CD 3
 (5)バレエ音楽「プルチネルラ」全曲(1919-20) ①-⑱
    ソプラノ、テノール、バス
      <★★★★>
 (6)バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」(1928) ⑲-㉘
      <★★★☆>
CD 4
 (7)バレエ音楽「妖精の口づけ」全曲(1928) ①-④
      <★★★☆>
 (8)バレエ音楽「きつね」全曲(歌と踊りによるブルレスケ)(1915-16) ⑤
    テノール2,バス2、ツィンバロム
      <★★★☆>
 
  エルネスト・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
  録音;ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
  (5)1965年2月 (6)1955年11月 (7)1963年10月11月 (8)1955年11月
  1994年/CD4枚組/管弦楽/ポリドール/邦盤/(Decca/London)中古

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●CD 3
(5)バレエ音楽「プルチネルラ」全曲(1919-20)
普通聴くのが組曲だから、これは長いけれど歌も入って新鮮ですね。ペルゴレー
ジのメロディが手を変え品を変え出てくる、その出方が楽しいし、歌があるため
に、どこかオペラブッファふうだし。
オケの編成は組曲と同じなので、演奏は似たようなものだと思うが、、、サウン
ドがやや柔らかい気がするのは録音のせいか。例によってテンポの変化は少ない
ので、地味な印象を受けた。ひとつ前のバレエ「うぐいすの歌」より管がなお少
ないから、うんと室内楽に、そして「新古典」に近づく。柔らかいと書いたが、
軽みや粋な感じは十分。1965年録音。
生で聴いてみたい曲です。
 
(6)バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」(1928)
弦楽だけの古典的なバレエ音楽で、その楚々とした典雅さがよく出ていて、例え
ばよく聴いたカラヤンベルリン・フィルのぶ厚い後期ロマン派を思わせるサウ
ンドとは、えらい違い。
 
 
●CD 4
(7)このバレエ音楽「妖精の口づけ」(1928)は、案外大編成みたい。たっぷ
り鳴る音は、同年の「ミューズの神を率いるアポロ」以上。
お話はアンデルセンの「氷娘」を脚色したもの。そのままじゃあ、ディズニーは
取り上げないが、弄れば、あるいは・・・ 
ストラヴィンスキーが意外にチャイコフスキーが好きだったということは昔なに
かで読みましたが、これなんかまさにチャイコフスキー愛に満ちたもの。まあも
ともとチャイコフスキーを引用する意図の曲なのかもしれませんが、4つの部分
の内、前3つは、ストラヴィンスキーとしては能うる限りの可愛さやチャーミン
グさを発揮していると思いますね、いくらチャイコフスキーに負っているといっ
ても。もっとも名曲扱いはしてもらえてないんだろうな。40分超の大作。
アンセルメのほうは、けっこう気持ちのこもった演奏を展開している気がします。
1963年録音。
 
(8)上記より10年以上も前のバレエ音楽「きつね」全曲(1915-16)のほう
はぐっと小編成。歌は英語。1955年録音、何度も書くように、優れた録音。
この曲はなぜかよく聴いて印象深い。特によく聴いたのがロバート・クラフト
揮のNAXOS盤で、いささかそっけないが、いいかえればテキパキした演奏。見
通しよくドライで、テンポが速め。十分面白かった。それがこのアンセルメ盤で
録音がいいからかもしれないがカラフルで、音に厚みが、ドラマにふくらみが、
増したよう。客観的にはどっちも行き方で、どちらも好きですね。
こずるい狐が、たくさんの妻を持つとぼけて鷹揚な、そして決して馬鹿でもない
雄鶏をつけ狙う話で、雄鶏は騙されては危機一髪のところで仲間である猫やヤギ
に助けてもらうことを繰り返し、とうとうしまいには雄鶏が食べられてしまうの
かと思いきや、狐のほうが成敗されてしまうという話。民話をもとにして作った
ストラヴィンスキーの半ばオリジナル。

 

 

第一集がこれで終わり。
第二集は「結婚」を除き、バレエ以外の作品。
ちょっと休憩してから、再開しましょう。楽しみです。