●CD 3 |
(5)バレエ音楽「プルチネルラ」全曲(1919-20) |
普通聴くのが組曲だから、これは長いけれど歌も入って新鮮ですね。ペルゴレー |
ジのメロディが手を変え品を変え出てくる、その出方が楽しいし、歌があるため |
に、どこかオペラブッファふうだし。 |
オケの編成は組曲と同じなので、演奏は似たようなものだと思うが、、、サウン |
ドがやや柔らかい気がするのは録音のせいか。例によってテンポの変化は少ない |
ので、地味な印象を受けた。ひとつ前のバレエ「うぐいすの歌」より管がなお少 |
ないから、うんと室内楽に、そして「新古典」に近づく。柔らかいと書いたが、 |
軽みや粋な感じは十分。1965年録音。 |
生で聴いてみたい曲です。 |
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(6)バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」(1928) |
弦楽だけの古典的なバレエ音楽で、その楚々とした典雅さがよく出ていて、例え |
ばよく聴いたカラヤン/ベルリン・フィルのぶ厚い後期ロマン派を思わせるサウ |
ンドとは、えらい違い。 |
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●CD 4 |
(7)このバレエ音楽「妖精の口づけ」(1928)は、案外大編成みたい。たっぷ |
り鳴る音は、同年の「ミューズの神を率いるアポロ」以上。 |
お話はアンデルセンの「氷娘」を脚色したもの。そのままじゃあ、ディズニーは |
取り上げないが、弄れば、あるいは・・・ |
ストラヴィンスキーが意外にチャイコフスキーが好きだったということは昔なに |
かで読みましたが、これなんかまさにチャイコフスキー愛に満ちたもの。まあも |
ともとチャイコフスキーを引用する意図の曲なのかもしれませんが、4つの部分 |
の内、前3つは、ストラヴィンスキーとしては能うる限りの可愛さやチャーミン |
グさを発揮していると思いますね、いくらチャイコフスキーに負っているといっ |
ても。もっとも名曲扱いはしてもらえてないんだろうな。40分超の大作。 |
アンセルメのほうは、けっこう気持ちのこもった演奏を展開している気がします。 |
1963年録音。 |
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(8)上記より10年以上も前のバレエ音楽「きつね」全曲(1915-16)のほう |
はぐっと小編成。歌は英語。1955年録音、何度も書くように、優れた録音。 |
この曲はなぜかよく聴いて印象深い。特によく聴いたのがロバート・クラフト指 |
揮のNAXOS盤で、いささかそっけないが、いいかえればテキパキした演奏。見 |
通しよくドライで、テンポが速め。十分面白かった。それがこのアンセルメ盤で |
録音がいいからかもしれないがカラフルで、音に厚みが、ドラマにふくらみが、 |
増したよう。客観的にはどっちも行き方で、どちらも好きですね。 |
こずるい狐が、たくさんの妻を持つとぼけて鷹揚な、そして決して馬鹿でもない |
雄鶏をつけ狙う話で、雄鶏は騙されては危機一髪のところで仲間である猫やヤギ |
に助けてもらうことを繰り返し、とうとうしまいには雄鶏が食べられてしまうの |
かと思いきや、狐のほうが成敗されてしまうという話。民話をもとにして作った |
ストラヴィンスキーの半ばオリジナル。 |
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第一集がこれで終わり。 |
第二集は「結婚」を除き、バレエ以外の作品。 |
ちょっと休憩してから、再開しましょう。楽しみです。 |