休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『お名前はアドルフ?』

20201215(了)

映画『お名前はアドルフ?』

 
  監督;ゼーンケ・ボルトマン//クリストフ・マリア・ヘルプスト/カロリーネ・
  ペータース/フロリアン・ダーヴィト・フィッツ/ユストゥス・フォン・ドーナニー/
  ヤニナ・ウーゼ
  2018年製作/91分/ドイツ/原題:Der Vorname/DVDレンタル
  <★★★★>

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ドイツもの。
ややスノッブかもしれない哲学系の教授夫婦のところへ集まったごく内輪
の食事会(ディナー)での会話だけの映画。
原作があるのかどうかはわからないが、舞台にかけられるべきもののよう。
あるいはその舞台劇を映画化したのか。
 
この夫婦のところに来る客は、一人目は、奥さんの両親に拾われ、奥さん
やその弟とは家族同然(兄)のように育った。やや年配だが独り者。二人
目は、上記の奥さんの弟で、高卒で学業はだめだったが事業にはなぜか
若くして成功したハンサムな男。三人目は彼の妻で、少し遅れてくる。役
者で役を取ろうと必死、ただ今妊娠中。
 
邦題は意訳というふう。妊娠中の子どもの名前がいきなり話題になる。原
題はこれを取って Der Vorname。つまりファーストネーム
弟は決めているが教えずに、あてっこをさせ、なかなか当たらないので盛
り上がる。わかってみれば、なんとアドルフだという。
この名がドイツではめったなことでは付けられない名だということはわか
りました。で、それがここでは大変な議論に発展してしまう。

話はほかにも移る(変えられる)んだけれど、底流にはアドルフがい続け

る。

間の会話も面白いが、後半でやり玉にあがるのは年配の独り者。これはこ
れできつい話に発展してしまう。
 
どちらも、どうなるかは書くわけにはいきませんが、どちらもいかにも家
族的な人間関係の中での会話で、普通はここまで突っ込まないだろうとい
う気はします。(・・・) 卑近でいかにもわかりやすい。
衝撃の告白も複数!
それが切れ目なくポンポンと続き、眼を離せない。家族ならではと思われ
る(どうなんだろう・・・)シンドイ緊張感も続きっぱなし。とはいえこ
っちは、目をひそめながらも笑わずにおれない。ほぼ失笑です。
 
男3人だけでなく、教授夫人も妊婦も含め、5人が5人とも喋る喋る。特
に最後の教授夫人の啖呵なんざ、その完膚なさに唖然とするほど。なのに、
ことここに至っても、彼ら皆の関係はちゃんと続いていきそう、、、
日本の国民性じゃあ、舞台の上以外ではちょっと考えられないなぁ。
 
せっかくの食事の味がしているとは思えななかった。
ワインはどんどん進む(これにも訳あり)んだけどね。
メインディッシュはチキンカレーライスで、タイカレー風の色合い。なん
だか綺麗に平らげられていなかったみたい。カレー好きのワタクシメには、
わりとおいしそうでした。
怒涛の会話劇、面白かったです。
 
 (原作があり、2010年にフランスで上演された舞台「名前」の映画化だ
  そうです。)