休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ジョン・アディスン映画音楽集

  

20200828 (了)

 THE FILM MUSIC OF JOHN ADDISON

(1920-1998)

1. (未公開)I Was Monty's Double               2:58
   1958年/英/J・ギラーミン//M・E・クリフトン=ジェームズ/J・ミルズ
2. (TV)遥かなる西部/わが町センテニアル Centennial           4:09 
   1978-79/米TV
3. カリブの嵐 Swashbuckler -Suits                5:46
   1976年/米/J・ゴールドストーン//R・ショー/J・ビジョルド
4. 遠すぎた橋 A Bridge Too Far                 10:24
   1977年/英・仏/R・アッテンボロー//D・ボガート/M・ケイン/S・コネリー/G・ハックマン
5. (未公開)The Maggie ーSong of Maggie             2:31
   1954年/英/A・マッケンドリック//P・ダグラス
6. 殴り込み戦闘機隊 Reach for the Sky                4:07
   1956年/英/L・ギルバート//K・モア
7. (未公開)ストレンジ・インベーダーズ Strange Invaders      9:28
   1983年/米/M・ローリン//P・ル・マット/ナンシー・アレン
8. 二つの世界の男 The Man Between -Berlin Story             2:10
   1953年/英/C・リード//J・メイソン/クレア・ブルーム
9. トム・ジョーンズの華麗な冒険 Tom Jones ーOverture           4:45
   1963年/英/T・リチャードソン//A・フィニー/S・ヨーク
10. 遥かなる戦場 The Charge of the Light Brigade           7:19
   1968年/英/T・リチャードソン//D・ヘミングズ/V・レッドグレイヴ
11-12. (未公開)Brandy for the Parson              3:03
   1952年/英/J・エルドリッジ//J・ドナルド/K・モア
13. 引き裂かれたカーテン Torn Curtain ーMain Titles              2:32
   1966年/米/ヒッチコック//P・ニューマン/J・アンドリュース
14. (未公開)Touch and Go ーMirror Waltz            2:41
   1955年/英/M・トルーマン//J・ホーキンズ
15. 探偵<スルース> Sleuth ーOverture                  3:08
   1972年/米/J・L・マンキーウィッツ//L・オリヴィエ/M・ケイン
16. (未公開)Carlton-Browne of the F.O.ーMarch              1:49
   1959年/英/R・ボールディング/J・デル//T・トーマス/P・セラーズ
17. (TV)ジェシカおばさんの事件簿 Murder, She Wrote ーMain Theme
   1984-96年/米TV//アンジェラ・ランズベリー                 2:10
 
  ラモン・ガンバ指揮/BBCコンサート管弦楽団
  録音:2006年12月、ウォットフォード Tot.70:50
  CD/映画音楽/Ⓟ&ⓒ Chandos Records/輸入/中古
  <★★★★>

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〈素晴らしき映画音楽作曲家たち〉から
比較的メジャーな作品のスコアを数多く手がけており、過去にサントラLPも
プライヴェート盤を含め)多数リリースされていながら、その殆どがCDに
なっていないという不遇な作曲家ジョン・アディスン(1920~1998)の代
表作を集めた新録音コンピレーションで、ファンとしては嬉しいリリース。
初録音となるマイナーな作品も散りばめられており、いかにもChandosレー
ベルの“イギリス作曲家シリーズ”らしい選曲。
 
このホームページの主催者さんは、アディスンがかなりお好きなようでした
が、いまいち信じられなくて、ちゃんと聴いたのは今回が初めてです。
繋ぐためのアレンジなどはされているでしょうが、基本オリジナル・スコア
のままと考えて良いのでしょう。
そしてわかりました。
録音も(CHANDOSですからねぇ)演奏能力も、指揮もいいのでしょう、サ
ントラならここまで鮮やかではないでしょうが、とにかくこのオーケストラ
サウンド、度肝を抜かれると言っても決してオ-バーでない見事さ!
オケのBBCコンサート管弦楽団なんて名では、小規模で軽い感じなんだが、
どうしてどうして立派なサウンドでうまい。案外名門BBC交響楽団のメンバ
ーが主要構成員たりするんじゃないの? 知らないけどさ。
あきれるほど輝かしく、完璧と言いたくなるバランスのいいオーケケストレ
ーション。ジョン・ウィリアムズリヒャルト・シュトラウスもまっさおに
なるんやない? 基本にはブラスバンドのファンファーレやマーチがあるかも。
そして何度か聴くうちにわかってきたのは、明るすぎて「翳」が乏しいこと。
そういう集め方なのでしょうが、どういう音楽表現の幅があるだろうかとい

うのが、当然次の聴き方になって来ることになりました。しょうがないです

ね。

 
聴き覚えがあったのは(4)(9)(13) で、(4)は中では時間が長かった
からか、音楽の幅がありました。 出来のほうは最高というわけじゃないけれ
ど、メロディが覚えやすいことと、途中でピアノ協奏曲風になった時の仄暗
い調子と前後の曲調とのギャップが大きかった。戻って、どこかほっとしま
した。ちょっと奇妙なサウンドというなら、例えばSFらしい(7)でしょう
か。案外無理せずにひねり出したセンス・オブ・ワンダー
映画を観たことはあるけれど、そんなに褒められるような音楽、付いてたっ
けと気になったのが(15)で、このCDを聴く気になるきっかけでもありま
したが、これと(9)などはコミカルさやスラプスティック風味でしょうか。

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ざっと触れておきますと・・・

(1)と(2)完璧なオーケストレーション。特に(2)はブラスがすごい。ホ

ルンなどJ・ゴールドスミスのサウンドにも通じる。このアルバム屈指のトラ
ック。(3)冒険のわくわく感。短いながら組曲で、ロマンティックな部分も
いい。(5)コミカル。(6)編隊を組む戦闘機の雄姿でしょうか。脳天気で
美しい。(7)組曲ふうで長い。はじめは牧歌的なんだが、奇妙なサウンド
作ろうとがんばってはいます。ま、ここでは一瞬だけ。(8)エスピオナージ
ュふうなメロドラマのメロドラマ部分が強く出ている感じ。ちょっと古臭い。
(9)テンポや軽さが効いている。「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な
いたずら」ふう。(10)19世紀クリミアでの英国側から描いた戦争らしい。
ゆったりとした華麗さ。中間部に似たサウンドを聴いたことがある。「オーヴ
ェルニュの歌」だったかなぁ、思い出せない。(11)(12)牧歌的な2トラ
ック。やや暗さのある(13)はB・ハーマンでないヒッチコック。確かにヒッ
チコックだと思わせる(あざとい)が、望まれた通り(?)やぼったい音楽に
なっていて、ワタシは好まない。次のセンスのあるワルツ(14)は素敵。期
待の『探偵 スルース』(15)は3分ちょっとで寂しい。序曲とはいえ、こん
なドタバタを連想させる曲だったんですねぇ。観たのは大学時代のはずです。
二転三転のミステリー会話劇。音楽なんぞ全く覚えてません。(16)はテリ
ー・トーマスだから当然スラプスティックですね。(17)このTVドラマは少
し観たことがあります。音楽はもちろん覚えていない。軽くかわいい。
以上。

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アディソンさんの隣のアッテンボローは、ここでは『遠すぎた橋』の監督さん
としてなんでしょうが、ジョン・ウィリアムズとよう似てはる。

 

 「これまでにないかもしれない」とやたら言われている台風10号が

 近づいていまして、近畿では雨でしょうね。その前に犬ころの散歩を

 済ませましょう。仕事から帰る頃はじゃじゃ降りかもしれません。