休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

フレンチ・コネクション?

20200304(了)
フレンチ・コネクション
/パユ、ル・サージュ、メイエ~パユと室内楽の魅力

(1)ショスタコーヴィチ(1906-1975):(fl.cl.p.のための)
   ①ワルツ 第3番 〈マクシムの帰還〉Op.45より(アトヴミアン編) 2:51
(2)ヴィラ=ロボス(1887-1959):(fl.clのための)
   ②ショーロス 第2番 2:27
(3)フローラン・シュミット(1870-1958):(fl.cl.p. のための)
   三重奏のためのソナチネ Op.85
   ③アッセ・ザニメ 2:17 ④アッセ・ヴィフ 1:50 ⑤トレ・ラン 2:31 ⑥アニメ 1:20
(4)ミヨー(1892-1974):(fl.ob.cl.pのための)
   ソナタ Op.47
   ⑦トランキュ 7:05 ⑧ジュワユー 3:05 ⑨アンポルテ 1:54 ⑩ドゥルリュー 6:17
(5)ジョリヴェ(1905-1974):
   フルートとクラリネットのためのソナチネ
   ⑪アンダンティーノ 3:28 ⑫クワジ・カデンツァ 2:43 ⑬間奏曲 3:33
(6)モーリス・エマニュエル(1862-1938):(fl.cl.p. のための)
   ソナタ Op.11
   ⑭アレグロ・コン・スピーリト 4:02 ⑮アダージョ 5:11 ⑯モルト・アレグロ 3:32
(9)ショスタコーヴィチ:(fl.cl.p.のための)
   ⑰ワルツ 第4番〈馬あぶ〉組曲 Op.97より(アトヴミアン編) 2:17

  レ・ヴァン・フランセ
   エマニュエル・パユ(fl)
   ポール・メイエ(cl)
   フランソワ・メイエ(ob)
   エリック・ル・サージュ(p)
  録音:2001年10月①-⑥&⑪-⑰、1998年7月⑦-⑩
  CD/室内楽/Ⓟ&ⓒ 2005 EMI/東芝EMI/邦盤/中古
  <★★★★△>

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抜群のアンサンブルと、一種ニュートラルな音色でした。
カラフルさも十分なんだけど、何故かあまりそう感じさせない。
コスモポリタン(古いか・・・)、現代的(ボケますね・・・)

 

(1)(9)のショスタコーヴィチがなんで前後に置いてあるのかはよくわ
からない。解説者は自明だと書いている、それがタイトルなんだろうが、
ワタシにはさっぱり。でも、どうだろう、導入と口直し、コンサートとし
てのバランス、なんてことなら、違和感は全然ありません。
アルバムとして聴いて、うまいと思います。

 

ワタシが気に入ったのは(6)(3)(4)の順でしょうか。
M・エマニュエルのこの曲(6)は去年も別の演奏で聴きました。
「メリーさんの羊・・・」に似たメロディが⑭と⑯に交じり、⑮ではラヴ
ェルの「マ・メール・ロワ」の中のメロディにそっくりなものが出てくる
ので、印象深いけれど、穏やかなわりにモヤモヤ感の中に一歩踏み込んだ
ような感覚が感じられるという名曲。
F・シュミットはオケ物よりは室内楽が素敵ですね。これ(3)はたぶん聴
くのは初めてだと思いますが、エマニュエルのような不思議な突込みより
は、その前のドビュッシーの仄暗さの(テクニックというより)イメージ、
みたいな感じかな。 ミヨーの(4)は聴いたことがあるような気はします
が、突拍子のなさは少な目ながら、ミヨーらしさは十分で4楽章がそれぞ
れ独特。ここに集められたような音楽のエキス全部を含み、ストラヴィン
スキの荒々しさや新古典までも取り込んででもいるみたいで、実に楽しい。
このアルバム中では最もスゴイ曲なのかもしれないですね。これだけオー
ボエが加わります。

 

ヴィラ=ロボスのショーロス(2)はショスタコーヴィチとF・シュミットの
繋ぎみたい。フルートとクラリネットだけで、なかなか角っこのある音楽。
一方ジョリヴェ(5)は、ミヨーとエマニュエルの間で、ちょこまかと動い
てこれも楽しい。ここではでも結局繋ぎ的にきこえてしまったなぁ。ワタシ
の偏りかもしれません。これだけ聴けば「喜遊曲」というタイプの立派なシ
ョーピース。よく考えられた配置のような気がします。

 

ひとしきり流しては車から出し、また持ち込んではかけるというようなこ
とを繰り返したCDです。
外れるはずのないアルバムだったかもしれません。聴けて良かった。