ツェムリンスキー さわやかな交響曲 二つ
20200224(了)
Alexander von Zemlinsky(1871-1942);
交響曲 第1番 ニ短調(1891-92)
①I Allegro ma non troppo 9:13
②II Allegro scherzando 6:03
③III Sehr innig und breit 9:10
④IV Moderato 7:35
交響曲 第2番 変ロ長調(1897)
⑤I Sostenuto - Allegro 12:07
⑥II Nicht zu schnell - Scherzando 9:47
⑦III Adagio 10:15
⑧IV Moderato 11:08
ジェイムズ・コンロン指揮/ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
録音:1996年1月,Studio Stolberger Straβe,Köln (Tot.75:36)
CD/管弦楽曲/Ⓟ&ⓒ 1998 EMI/輸入/中古
<★★★△>

交響曲二つ、ともに19世紀末。
ということは、まだロマン派の続きのようなところがあるんだろうと思っ
て、のんびり聴き始めました。聴き始めまで、メシアンの3つのアルバム
を車中でとっかえひっかえ聴いていたので、余計にそう思えたかもしれま
せん、「ワー、クラシック!」
特に第1番はそうでしたね。
後期ロマン派、というよりはほとんどドイツロマン派そのもの。シューベ
ルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームスの音楽を集約したよう
な感じ。付け加えるなら、民族色込みでさわやかなドヴォルザークみたい
な味付け。はるか以前にすでにぶっ飛んでいたブルックナーに近いものも
も若干。ここではマーラーからはかなり遠いというか、違う世界という感
じ。ユダヤ系だからって、なにもみながマーラーみたいな音楽を作るとは
限らないのに、ついマーラーの音楽を嗅ぎつけたがってしまう。病的やね。
ええ加減な表現ですが、ワタシの感性なんてそんなものなのです。
ゆっくり堂々と始まる第2番も基本的には1番と同じように、ベースはド
イツロマン派。重々しくはないものの、今度はブルックナーは少し多く、
マーラーも少し、そして、ワーグナーぽいところ(ex.「ジークフリート牧
歌」)を聴きつけた気がしました。浅はかですね。
1番よりは違う世界に少しだけ踏み込んだというか、少し広がったという
か、そんな感じかな。形式感があって古典的。でもちょっと冗長。
そうそう、北欧の感じもあったんでした。
はじめて聴いたから、新鮮さはあったんですが、でもまあ、この2曲の交
響曲は、あんまりツェムリンスキーを感じるものじゃない気がします。と
いってはまずいか。まだ成熟期には達していないというべきですよね。 古
色がふんだんに聴けるばかりで、特色が乏しい。「さわやか系」ではあり
ます。極端な言い方をすれば、「習作」っぽい。始めに書いたように 「ワ
ー、クラシック!」。独特というなら、この一種の軽やかさや明るめの音
色でしょうか。
前回のツェムリンスキーは「交響的歌曲」や歌劇「カンダウレス王」でし
た。これらのすばらしい音楽にはもう少し時間が必要です。
あんた(の音楽鑑賞記)は「芯を食わない」という言い方を、ブログ上で
されたことがあります、7年とか8年とか随分前です。しつこく覚えている
ものですね。
そして、実際こんなのと似ているとか、あんなのからいただいたかもしれ
ないだとか、あまり褒められないような聴き方をいつもしてしまっている
・・・ 曲の選び方や解釈のしかたということになるのかな。ちょっと腹
が立ったのは確かだけれど、一面ではなるほどけっこう的を射ているかも
しれないとも思った。で、気持ち的にはチャラ、これでも根に持ってはい
ないつもりだったのです。
こんな鑑賞記を書いていて、なぜかこのことが突然思い浮かびました。
(以下は関係のない付録)
NHK-BSプレミアムで深夜(2/24、am2:00-)。
ベルナルト・ハイティンク/ウィーン・フィル//ザルツブルク音楽祭(8/末)
メインはブルックナー;Sym.7
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(ピアノ;エマニュエル・アックス/
M・ペライアの代役?)のあと。 テンポや表現など、目立つような設定は
なく、ただただ悠然と進める。このライブの直後かどうかはわからないが、
ハイティンクは引退したんだそうな。90歳。地味な巨匠として。
出てくるときも引っ込むときも、杖を突いてゆっくりゆっくり・・・
でも決して音楽がボケてない、思わせぶりでない、いい7番でした。
やはり引退演奏会のような感じ。客がなかなか去らなかった。もう引退発
表はなされていたんでしょうね。