休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ローレム/フルートを伴う室内楽作品集

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20191129(了)
ローレム/フルートを伴う室内楽作品集

  ①山の歌(フルートとピアノ版) 1949                3:09
②-⑩ロメオとジュリエット(フルートとギター) 1977        19:46
⑪-⑭フルート,チェロとピアノのための三重奏曲 1960             16:53
⑮-㉒時祷書(フルートとハープ) 1975               18:28
㉓-㉖4つの祈り(フルートとピアノ) 2006             12:36

  フェンウィック・スミス(フルート)
  デイヴィッド・レイズナー(ギター)、ロナルド・トーマス(チェロ)
  ミーハエ・リー(ピアノ)、アン・ホブソン・パイロット(ハープ)
  録音:①-㉒1993年、ボストン他、㉓-㉖2008年、ロリンズデール、ソニック・テンプル
  Ⓟ1993,2011&ⓒ2011 Naxos/現代音楽/室内楽/中古CD/Tot.70:52
  <★★★☆>

 

Ned Rorem 米作曲家(1923- )オフクロと同い年だ。


Naxos紹介文から) ・・・ローレム・・・は概ね歌曲作曲家として知られ
ていますが、彼はその活動のほぼ全域に渡って、フルートのための作品も書い
ています。ここに収録されたのは、そんな魅力的な曲の数々です。若い頃に
フランスに住んでいたローレム、やはり初期の作品にはプーランクラヴェル
ルーセルの影響が強く感じられます。そんなモダンさとケンタッキーの民謡を
掛け合わせたかのような、「山の歌」(これは、彼が最初に書いた器楽のた
めの曲で、オーボエ、もしくは、ヴァイオリン、チェロでも奏されます)から
2006年の「4つの祈り」まで、およそ50年もの年月によって熟成されたローレ
ムの歌心は、美しくも哀しく響き渡ります・・・

① この素朴でえらく美しい曲が、結局のところ一番印象に残ってしまいまし
た。最初にこのCDをかけたときに、そんな感じのことを思ったんですよ。そ
れが当たってしまった。たった3分の名曲。
ピアノとフルートだから、わかりにくいけれど、紹介文にある通り、フランス
趣味とケンタッキーの民謡を掛け合わせたという言い方は、なかなかうまい表
現かもしれない。

②-⑩ ロメオとジュリエットを思い浮かべることはできなかった。でもフラン
ス趣味はなんとなく感じ、恥ずかしながら「シランクス」。ドビュッシーなら
武満じゃないかと連想が飛びました。そんな曲もありますね。フルートはハー
プとの相性がいいのはわかりきっているが、ハープとギターは通じるものらし
く、ギタ―との相性も抜群。実にメロディアスで、歌心なんでしょうね。⑦の
フルートのソロが効いている。⑨で少し尖り、⑩で調性があいまいになった感
じにつながるのが粋。

⑪-⑭ 4楽章あるトリオ。当然ドビュッシーふうだろうと予想したら、はじめだ
け。メシアンだとかバーバリズムだとか不安な調子が混じる。でもぶってい
るだけのような気もする。違うかもしれない。でも・・・基本、品はいいと思
う。第3楽章や第4楽章は、歌が消え、現代音楽っぽく聞こえるんだけどね。

⑮-㉒ 要は平信徒たちの個人用の祈祷書。その「書物」自体を見て受ける雰囲
気や印象なんじゃないか。中身の問題じゃない。
フルートとハープの抜群の相性で一見柔らかく、あるいはふんわり軽妙に聴こ
えるが、内容的には濃いものがあったみたい。

㉓-㉖ 最初の曲から57年たっている。録音は⑮-㉒の15年後。
和声や音色がだいぶん変わっている。㉕までは柔和ではあるものの、あまり美
しいという感じの曲ではない。ところが最後㉖については、別格的に美しい。
映画『スパルタカス』の中の「愛のテーマ」(作曲はアレックス・ノース)の
一部に結構似ている。

はっきり言って、おおむね高級ムード音楽でしたねぇ。
すくなくとも、刺激という点では乏しかった。
でも、、、結構気に入りました。