休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ドビュッシー・ラヴェル 管弦楽作品集/ジャン・マルティノン 8-6

20220212(了)

DEBUSSYRAVEL ORCHESTRAL WORKS/JEAN MARTINON 8CD 8-6

【Disc6】ラヴェル管弦楽曲集2 (74:28)

 序曲 シェエラザード (1898)13:47
 ラ・ヴァルス (1920)12:35
 クープランの墓 (1919)3:23/5:57/5:31/3:06
 古風なメヌエット (1895)6:19
 亡き王女のためのパヴァーヌ 6:32
 高雅で感傷的なワルツ (1912)16:22
<★★★★>
  ジャン・マルティノン指揮
  パリ管弦楽団
  録音;1974年、パリ、Salle Wagram
 
  CD/クラシック/管弦楽/8枚組/Ⓟ1974・1975 EMI ⓒ2012 Warner Music Group
  /輸入/中古

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【Disc6】ラヴェル管弦楽曲集2/4

ラヴェルのこの2枚目には、好きな曲が揃っています。それだけに、逆にち
ょっと書きにくい気がしてもいます。
 
ま、まずは最もなじみの薄いシェエラザード。知られた歌曲集とは関係
ないの?  解説ではオペラを構想した残滓で、楽譜の発見が遅かったらしい。
リムスキー=コルサコフオリエンタリズムからも、ドビュッシー全音
階からも距離を置いたとか書いてある。全音音階のことはわからぬが、オリ
エンタリズムはしっかりあるなぁ。それに聴き違いじゃないならリムスキー
=コルサコフの超ド級の有名曲に似たメロディが聴き取れた気もする。
そんなことはいいけれど、1枚目より、録音のカラフルさが増してないだろ
うか。それもあってなのか、ワタシはまだまだラヴェルらしさは少ないもの
の、曲想の豊かな素敵な曲だと思います。
 

「ラ・ヴァルス」「高雅で感傷的なワルツ」は一緒にしてはおかしいだろ

うと言われそうだけど、ともにワルツなんで一緒にしてみます。ワタシはこ

の2曲に開眼したのはポール・パレーという指揮者の演奏。オケはデトロイ
ト響。繊細さは乏しく、ド直球なのね。それがものの見事にはまっていまし
た。ああこれでいいのかって思いましたね。
ところが、それに比べるとマルティノンのは、逆を行って、バレエらしくと
言っていいのか、もっとドラマ性を重視して、テンポの動かし、強弱の協調、
それに聞こえにくい楽器をちょっとっ強調することなど、いろんな手を尽く
している。その傾向は「ワルツ」のほうが当然一層顕著やね。この行き方も
アリなんや。もっと冷たく繊細な行き方もあるかもしれない。(アンセルメ
?) 印象に残っているものでは、アンドレ・プレヴィン指揮の「ワルツ」
で、さらにうんと暖かい感じの演奏、これも好きでしたね。
ハイ、大好きなワルツ2曲・・・ ただ、パリ管、昔のクリュイタンス時代
と似て、アンサンブル、少し粗くないだろうか。それともこの若干のバラケ
や個々楽器の主張がある種の効果を生んでいるのだろうか。
 

クープランの墓」のオケ版は高校生のころからやたら聴いたものです。

音質はやや違うような気もするけれど、クリュイタンス/パリ音楽院管と似

たアプローチのような、古代に暖かく思いをはせたような感じは素敵です。

温度はともかく、まあもともとそんな曲ではあるけれど。(ヘンな高校生だ

ったのかも・・・)

 

「古風なメヌエット このCDで拾い物はこの演奏。ワタシには、少なか

ず格下の曲でした。

「ワルツ」でも書いた演出がこの曲の場合もはまってますね。素っ頓狂で、
妙な不協和音があまり好きになれなかったものですが、こんな立派ないい
曲だったんだと・・・
 
「亡き王女のためのパヴァーヌ 名曲だけど、「ボレロ」と似たような
もので、あまりに聴きすぎて食傷。いろいろ甘くこってりと工夫されてい
るものの、まぁこんなものでしょうか。
ボレロ」同様、実に様々な使われ方がされる。この冬のオリンピックで
は、「ボレロ」がフィギュアスケートで(何か流行りなのかと思うほど)
何度も聞こえました。

それよりなにより、この曲については、ピアノで演奏できるようになりた

かった。その一点!

 

映画『ミッション・マンガル        崖っぷちチームの火星打上げ計画』

20220315(了)

映画『ミッション・マンガル 

      崖っぷちチームの火星打上げ計画』

ジャガン・シャクティ監督//アクシャイ・クマール/ビディヤ・バラン 他美人たち
  2019年製作/130分/G/インド/原題:Mission Mangal/DVDレンタル
  <★★★>

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<映画.com>解説から : アジアで初めて火星の周回軌道に探査機を到達さ
せたインドの実話を基に映画化。2010年、インドの宇宙事業の命運をかけた
ロケット打ち上げが失敗に終わり、責任者のラケーシュとタラは火星探査プ
ロジェクトという閑職に異動させられる。誰もが実現不可能だと考える火星
探査だったが、タラは家庭での料理方法をヒントに、小さなロケットで探査
機を火星に送る画期的なアイデアを思いつく。低予算ながらプロジェクト始
動を承認されたものの、集められたスタッフは経験の浅い女性ばかり。始め
はバラバラのチームだったが、ラケーシュのリーダーシップと女性たちの節
約アイデアで、僅かな予算で打ち上げを成功させるべく結束していく・・・
 
実話ですからね、IT大国インドは、こうした科学技術もすごいんだなぁ、と。
保有国というぐらいだし、、、今度のロシアのウクライナ侵攻に当たって、
対中国では仲が悪くても、ロシアへの制裁には賛成しなかったし、、、
ま、やめときましょう。
 
軽快な調子で作られた楽しい作品でした。
予算が限られた火星探査ミッションに追いやられた男リーダーとサブリー
ダーの女性に与えられたのは、お金だけでなく人事的にも実績のない人ば
かり6人。一応それぞれ専門家ではあるのだけれど爺さん一人を除いてみ
な若く、4人が女性。しかも女性は全員美人。
サリーを身に着けた女性だと、先入観みたいなもんだけれど、どうも科学
分野の専門家、俗にいうリケジョに見えてくれない。ワタシが悪いんでし
ょうけどね。道具立てが少々貧弱に見えたこともあるかなぁ。
でも、若い女性たちが集められるにあたっては、それぞれが日常に絡めと
られつつも優れた人材であることうを見せてくれる。そういう紹介にあた
る部分が、いささか古臭いと言えば言えるものの、楽しく見せる効果もあ
る。あとは、のんびりやってりゃいいものではなく、限られた時間で開発
と実施が必要だということになって、俄然お話が活気づく。結局乏しい予

算の生かし方にストーリーを奉仕、収斂させてしてゆくと言ってもいいか

んじでした。

 
『パッドマン』という楽しい映画がありまして、そのスタッフが集まって
製作されたらしく、そのせいか、両者はなにやら似た作り(の面白さ)だ

ったみたいな気がしました。生理用品と火星探査じゃ、えらい違いなのに

ねぇ。

そして、アメリカ製の『ドリーム』という、黒人女性3人が数学系の能力
でもって衛星の開発に携わり、人種差別と性別の壁にぶち当たりながら大
活躍する映画を思い出し、較べることになりました。共に実話をもとにし

ているらしいのに、エンタメとしての質もリアリズムの質も随分違うもの

に仕上がっていましたね。(異論も出そうですが、、、議論してくれそう

な人が周りにはいません)

中西俊博/バラード2

20220226(了)

Ballads 2 

 中西俊博 meets 林正樹

①Flamingo(Edmund Anderson/Theodor Grouya)

②Nuovo cinema paradiso(E&I Morricone) 

                  映画「ニューシネマ・パラダイス」より

③What are you doing the rest of your life
    (M Legrand/M&A Bergman) 映画「ハッピー・エンディング」より

④Blue Moon(Richard Rodgers)  

                  E・プレスリー/アルバム「ブルームーン」より

⑤Letter from home(Pat Metheny) 

                  アルバム「レター・フロム・ホーム」より

⑥Your song(Elton John/Bernie Taupin) 

                  エルトン・ジョン/アルバム「ユア・ソング」より

⑦Here’s that rainy day(Jimmy van Heusen/Johnny Burke)

⑧A slow hot wind(H Mancini) 

                  セルジオ・メンデス&ブラジル66/アルバム「S/T」より

⑨Stardust(Hoagy Carmichael)    

                  映画「レインマン」より

⑩Days of wine and roses(J Mercer/H Mancini)

                  映画「酒とバラの日々」より

⑪Chovendo na roseira(A C Jobim) 邦題:バラに降る雨

⑫In the wee small hoursof morning(Bob Hilliard)

                   映画「アルフィー」より

 
  中西俊博(vn.) 林正樹(p.) 録音:2006年10月
  CD/器楽曲/ムードミュージック/2006年/casnet/邦盤/中古
  <★★★☆>

1980年代くらいの録音でしょうか、日本コロムビアDENONの録音
を3枚ほど手に入れて、結構好きで、時々聴いていたものです。
ピアノ伴奏じゃなく、薄っぺらいけれど弦楽合奏の長い残響のオブリガ
ート付き。
まあ、イージーリスニングものというジャンル。
極めて品がよく、何度も聴いてしまうほどに素敵でしたね。長男もアルバ

ムを1枚持っていましたっけ。(こういうヴァイオリンをどう思っている

のか、ヤツに訊いたことないんだよな)

それで、今回目についたのを、続きとして、ただ同然で手に入れてみまし
た。
 
タイプは全く違うけれど、I・パールマンのヴァイオリンソロとジョン・
ウィリアムズ指揮のオーケストラという組み合わせで、SONYから2枚
出ていまして(オケが違う)、堂々たるムード音楽(当然殆ど映画音楽で
す)でした。
どちらも大好きです。
 
それらと比べると、ピアノ伴奏がどうなんだろうと・・・
職場の業務用ラジカセで聴いた時は、ダメでした。
でも自室に持ち込んで、CDプレーヤー、パソコン、ヘッドフォンなどで一
応ちゃんと聴いてみたら、立派なものでしたね。
なんでピアノなのかわかって、殆ど安堵しました。
これは高級としか言いようのない、弦楽合奏オブリガートに頼らない、
優れもののムード音楽。
出来れば小さめの静かな飲み屋で聴きたい。
きっと洋酒やろ!と思われそうやけど、この時期飲んでいる日本酒の熱
燗か芋焼酎のお湯割りがええ! 食べ物は、今やったら「皿うどん
(柔らかいのでもバリソバでも)がええ・・・上手いヤキメシでもカマ

ヘンなぁ・・・(へんなジジイです、池波正太郎やない、、、これで、

いまのところ太ってこない、脂肪の状態はよくないとはおもいますけど)

 
車に入れておきましょう。
それに、この1枚目が出ているだろうからそれも、きっと安いぜ。
 
 ⑧のサンバ・ボサノヴァ系が、⑪のジョビンの作品よりすばらしかっ
 たが、マンシーニの名と、セルジオ・メンデス&ブラジル66の名が一
 緒に書かれているのは、何故?

ドビュッシー・ラヴェル 管弦楽作品集/ジャン・マルティノン 5/8

20220211(了)

DEBUSSYRAVEL ORCHESTRAL WORKS/JEAN MARTINON 8CD 5/8

【Disc5】ラヴェル管弦楽曲集1 (75:36)
 ボレロ 14:56
 海原の小舟(鏡 第3番) 7:18
 マ・メール・ロワ(バレエ組曲) 28:59 
 道化師の朝の歌(鏡 第4番) 7:53 
 スペイン狂詩曲 4:32/2:15/2:51/6:28
  <★★★☆>
  ジャン・マルティノン指揮
  パリ管弦楽団
  録音;1974年、パリ、Salle Wagram
 
  CD/クラシック/管弦楽/8枚組/Ⓟ1974・1975 EMI ⓒ2012 Warner Music Group
  /輸入/中古

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さぁて、慣れ親しんだ曲の多いラヴェル、いってみます。
 
ボレロ 
力強い感じかな。普通だね。こりゃ、誰がやっても似たようなもの。
数少ない聴きたい曲でない代表のようなものなので・・・、上記以外に特に
感じたこととてない。最後はかなり気張っていて、ディナーミクには拘った。
海原の小舟(鏡 第3番) 
この曲はクリュイタンス以外ではたいして聴いたことがない。「海辺に漂う
小舟」なんてタイトルじゃなかったっけ。かなり印象が違って、肉厚な音が
なかなかいいです。ドビュッシーに近い音じゃないか。
マ・メール・ロワ(バレエ組曲
全曲版やね。これは大好きな曲。
悪いわけではないんだけれど、ここまで生真面目だといい結果にはつながら
ないってこともあるんだなぁ。その証拠というか、とにかくもうひとつ・・・
でも一体どこがピンとこないのだろう。
いろんな事やってるんですよ。楽器の強調のしかたや細かいテンポを工夫し
ている。ダイナミックはかなりめりはりを付けている・・・ ちゃんと優し
く、ファンタジック・・・って、もともとそういう曲だけど。
なんだろう、音色かなぁ、若干地味だとは思う。カラフルだなぁという感じ
はしない。ドビュッシーではちょうどよかったものが、ここでは指示通りに
やっているようなのに、なぜか足りない気がする。よく歌っている。なのに、
不思議だなぁ、どこか、もう一歩。
パリ管、上手いのかそうでもないのか、よくわからない。独奏のセンスはあ
る。つまりセンス込みの自己主張の強さ。だけど、アンサンブルの正確さは
決して最高というわけじゃない。そして、アンサンブル重視のほうが、この
曲には向いている。その辺だろうか。そういや、クリュイタンス/パリ音楽
院管の演奏も、アンサンブルにはちょっと問題があった。でも、安直な言い
草だけど、柔和なムードがそれを補って余りあるという感じだったと思う。
道化師の朝の歌(鏡 第4番)
ピアノ曲の見事なオーケストレーション
めりはりを効かさざるを得ない曲。出来は普通かなぁ。
スペイン狂詩曲
超有名なラテンフレイバーの名曲。「眉間の皺」ですよ!
上記と同じで、どこか、もう一歩。ここまでで言えるのは温かみがあること。
認めたくないんだけれど、ある種、ひんやりした感じが足りない気がする。

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映画『ロックダウン』

20220308(了)

映画『ロックダウン』

  ダグ・リーマン監督//アン・ハサウェイ/キウェテル・イジョフォー/・・・
               ベン・スティラー/ベン・キングズレー
  音楽:ジョン・パウエル
  2021年製作/118分/イギリス・アメリカ合作/原題:Locked Down
  DVDレンタル
  <★★★☆>

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ロンドンに住むカップルは、男性が黒人で、詩とバイクが好き。過去に起
こした犯罪で経歴に傷があるもんだから、キャリアが積めない。今はある
種の配送屋。見かけはいたって普通。ボスは変なオッサン(ベン・キング
ズレー!)。 一方彼女はけっこう大きなアパレル企業のロンドンの代表を
務める。誰もがうらやむ成功組の白人女性。(同列の代表たちの中にベン・
スティラーがいた)
ロックダウン中で日がな住まいにいて、色々考えてしまう。そもそもしば
らく前から二人の関係は冷えているよう。
彼は職を失いそうで、むしゃくしゃを通りで詩を大声で朗読したりなんか
して発散している。彼女は部下をクビにする命を受け、実施後はやはりむ
しゃくしゃ。いろんな連絡も通知ももちろん悉くネットによる映像通話。
Skypeっていうんだっけ。けっこう飛んだりフリーズしたりしてたなぁ。
 
さて、コロナ禍中、ロックダウンの最中のガラーンとしたロンドン・・・
二人の関係がいよいよ、というところで、彼に舞い込んだ配達仕事は、犯
罪者ではだめなので偽名を使わないといけないようなことになる。朗読す
る詩は有名な詩人のものなんだが、それにかこつけたような、ここで付け
てもらう偽名がおかしい。まあそれは伏せておきましょう。
そして、おりしも彼女に与えられた仕事は、誰もが知る超高級百貨店ハロ
ッズのある種の引っ越しにかかわるもの。彼女の勤める会社がダイヤモン
ドなどの「移動」を請け負い、担当は彼女。
その二人の仕事が偶然もいいとこ、、、交錯するのね。

彼女は300万ポンドのダイヤモンドについて、あるプランを思いつく

・・・

 
つまらんことですが、自宅のパソコンの前でだけ着飾ったり化粧したり
なんてのも、ワタシには経験のないことなのでリアルでした。ワタシは
仕事は途切れずしていましたが、パソコンは使っても、ネットでできる
仕事ではないし、常に普段着の出勤でしたし。
 
紹介されている映画の感想文は全くよくないのね。
ダイヤ強奪だってのに(って、言っちゃった・・・まあいいか)、「た

るい」だとか「リアルじゃない」とか「イライラする」なんて書いてあ

る。

おやおや、そんなもん、ロックダウン中なんだし、前半を観てりゃあ当
り前でしょうに。
強奪のリアリズムはともかくとして、降って湧いたような話の煮詰め方
を、うんとリアルに描くのがこの映画の目的じゃないと思うなぁ。

 

ちょろっと出てくる立派なお顔のベン・キングズレーの喋り(いやーカ
ッコイイ!)も魅力的でしたが、ここはやはりアン・ハサウェイの機関
銃のような早口なお喋り(一ヶ所、特にすごいところがありました)や

彼氏との会話の機微じゃないですかねぇ。

 

とにもかくにもロックダウン中という特殊な状況下での会話を楽しむの
が目的の、軽快さが命の映画なのであって、強奪話はもののついでみた
いなもんでしょうに、、、
なんてね、ちょっとくどかったか。
特典映像というのを流していたら・・・

どうやら、けっこうアバウトなつくりの作品だったみたいです。

ワタシは、つまりこのアバウトさがちょっと気に入った、ということに

なりますか。

テイク6/ソー・マッチ・トゥー・セイ

20220225(了)

so much 2 say/take 6

①〔NOT AGAIN¡?〕
②SO M,UCH 2 SAY
③〔HUMAN BODY〕
④I L‐O‐V‐E u
⑤SOMETHING WITHIN M,E
⑥TIME AFTER TIME(THE SAVIOR IS WAITING)
⑦COME UNTO ME
⑧〔PRE‐PRISE: I'M ON MY WAY〕
⑨I BELIEVE
⑩SUNDAY'S ON THE WAY
⑪I'M ON MY WAY
⑫〔THAT'S THE LAW〕
⑬WHERE DO THE CHILDREN PLAY?
   TAKE 6
   ALVIN CHEA/CEDRIC DENT/MARK KIBBLE
   KLAUD V.MCKNIGHT Ⅲ/DAVID THOMAS/MERVYN WARREN
   CD/ヴォーカル/Ⓟ&ⓒ 1990 Reprise Records/WEA/輸入盤/中古
  <★★★★>

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これで4枚目ぐらいです。初期作ですが、評価通り、すばらしい。
ゴスペルっぽく聞こえたのは⑤ぐらい。これが多いと正直なところシンド
イ。歌詞からすると、実際ゴスペル自体はもう少しあるんでしょう。それ
っぽくないけどね。
 
とにかくめっぽううまい。
シンガーズ・アンリミテドのような和音なんかたくさん出てくるんだけれ
ど、6人いるからねえ、多重録音なんかしなくても、なんとかなっちゃう
んだろうね。
はじめ、ラジカセで聴いて、こりゃ残念賞ものかと思ったところ、車の中
に持ち込んでみて一聴、いやいや、すごいわ。
 
①はなぜだか、オーケストラの始めのチューニング音を入れてあって意味
は分からない。
続いてすぐ、タイトルになっている②。かなり短いものの、このトラック
のすごさに完全にイカレテしまいました。
 
ところどころでシンセによるものらしいリズムが入るぐらいで、基本的に
ア・カペラ。最後の⑬だけは楽器が入りました・・・
 
これ以上、言うこと、ありません。
傑作。

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リゲティ/メカニカル・ミュージック

20220303(了)

GÖRGY LIGETI (1923-2006)EDITION 5

GYÖRGY LIGETI

       /Mechanical Music

Adaptation for Barrel Organ

①Continuum (1970) 3:32
②Hungarian Rock (Chaconne;1978) 4:52
③Capriccio No.1 (1947) 3:55
④Invention (1948) 1:23
⑤Capriccio No.2 (1947) 1:43

For  100 Metronomes

⑥Poèm Symphonique (1962) 19:56

Adaptation for Barrel Organ

⑦-⑰Musica ricercata (1951-53) 25:05

Adaptation for Player Piano

⑱-㉓Études pour piano (1988-94) 12:14

Adaptation for 2 Player Piano

㉔Continuum (1970) 3:44

 

 ①-⑤、⑦-⑰ Pierre Charial(Barrel Organ)
 ⑥Françoise Terrioux(Metronomes)
 ⑱-㉔Jürgen Hocker(Player Pianos)
 Total.75:18
 CD/現代音楽/ⓒ&Ⓟ 1997 Sony/Deutschland Radio輸入/中古

 <★★☆>

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このシリーズ、何枚か聴いてはいるのですが、さすがにこれはアカンやろう
と敬遠していた一枚、聴いてみることにしました。
敬遠していて正解でしたけどね、ま、たまにはチャレンジ。

 

  下のがBARREL ORGANでしょうね。心臓部にあたるが、全体のほんの

  一部なんでしょう・・・ 額に手を当てているのがリゲティさん

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   で、この下がPLAYER PIANO。横になってまっせ・・・

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プレイヤー・ピアノというのはあらかじめプログラムされた自動ピアノとい
うことなんだが、やる音楽というのは、リゲティですからね、尖りまくり。
もはや人間の域を逸脱したような「これでも音楽」を機械的に奏でる。
なにも、あえて人間が弾くことはなかろう、と言ってしまえばそれまで。
拍子や音の数や音程などが、一種の団体さんを構成しつつ、ばらばらと鳴り
ながら、いろんな方向や形にジわじわ変わっていく、変質してゆく、っての
が主なスタイル。
どこかミニマル・ミュージックと親戚筋、みたい。リゲティというと、どう
してもトーン・クラスターという言葉が出てくるんだけれど、こういうのも
そうなんだろうか、ワタシは殆どわからない。『2001年;宇宙の旅』に

使われたような合唱やオケものであれば、とっくの昔に免疫(≒慣れ)がで

きてますが・・・

 
それがピアノだと、聴き慣れた音なもんだから、わりと抵抗が少ないが、ま
あ簡単に言えばそれのオルガン版が「Barrel Organ」というやつらしい。
このバレル・オルガン、普通は手回しオルガンみたいな小さなものを指すら
しいが、ここでははるかに大掛かりなもので、パイプオルガン並みにデカイ。
巨大自動オルガン・・・それがプレイヤー・ピアノのように絶え間ない変化
をし続ける。
⑨と⑭のオルガン曲は、しっかり聞き覚えがありましたね。『2001年』
のあと、影響を受けてリゲティをいろいろ聴きまくった時、オルガン曲とし
て聴いたのでした。かなり癪に障ったんで、覚えていたんじゃないかな。
 
ピアノもオルガンも、音楽に聞こえなくもないもの、実験的なもの、なので
すが、初めの①~⑤あたりはけっこう音楽っぽく、②なんざタイトル通りロ

ックを思わせ、言ってみればプログレ系。これが最も「音楽」っぽかったか

な。

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特筆すべきは⑥の For  100 Metronomes/Poèm Symphonique
100個のメトロノームを(決まったテンポなのかどうかわからないけれど)鳴
らす。全部鳴っている状態になってから音を録りだしているみたい。多分。
音は固いものの、ワタシの持った連想は、ムカデかゲジゲジの足に注意を集中

させ、音化させている感じ。

上の写真、ちょっと笑えるでしょ。

100台もばらばらに鳴っているのに、どこか波があるように聞こえたり、一瞬
の間があったりと、不思議なことが起きるのね。これもトーン・クラスターの
効果のようなものなのかもしれない。知りませんが。
で、しばらくしてから徐々に止めて行く。音がまばらになるにつれて波ははっ

きりしすぎて波らしくなくなり、、間の頻度が増え、その間もちょっとづつ大

きくなる。

最後は1台になり、それも止まってしばらくの静寂。
始めは笑うしかなかったが、何度か聴くうちに、何故か聴きいっちゃうのね。
不思議でした。
・・・
 
でも、もういいや。