休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ストックホルム・ケース』

20210924(了)

映画『ストックホルム・ケース』

  ロバート・バドロー監督//イーサン・ホーク/ノオミ・ラパス/マーク・ストロング
  2018年製作/92分/G/カナダ・スウェーデン/原題:Stockholm/DVDレンタル
  <★★★△>

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【映画.com】解説から: 誘拐・監禁事件の被害者が犯人と長い時間をとも
にすることで、犯人に対し連帯感や好意的な感情を抱いてしまう状態を示
す心理学用語「ストックホルム症候群」の語源になった事件を題材に、イ
ーサン・ホーク主演で描くクライムドラマ。何をやっても上手くいかない
悪党のラースは、自由の国アメリカに逃れるためストックホルムの銀行に
強盗に入る。ビアンカという女性を含む3人を人質に取り、刑務所に収監さ
れていた仲間のグンナーを釈放させることに成功したラースは、続けて人
質と交換に金と逃走車を要求。しかし、警察が彼らを銀行の中に封じ込め
る作戦に出たことで事態は長期化。次第に犯人と人質の関係だったラース
ビアンカたちの間に、不思議な共感が芽生え始めていく。
映画の題材となったのは、1973年にスウェーデンストックホルムで起こ
ったノルマルム広場強盗事件。 監督は、イーサン・ホークが伝説のトラン

ペット奏者チェット・ベイカーを演じた「ブルーに生まれついて」のロバ

ート・バドロー・・・

 

そうか、あの破滅型のチェット・ベイカーの映画の監督さんだったんや

・・・

 
計画的とはいえ、なんとも緩い銀行強盗のたてこもり。
1973年だからこんなに緩いというわけじゃなくて、この人好きのする犯人
たちだからこうなった、こんなおっとりした銀行員たちだからこうなった、
こんな妙にひねくれて自信家の警察署長の対応だからこうなった、、、
まぁ、そんな複合要因ふうですね。それがこの「ストックホルム症候群
なんて言葉を生んだ。言葉自体を知りませんでしたが、語源になったなん
てねぇ、面白いじゃないですか。
 
最初から破綻しているような計画ながら、一体どんな着地点になるのか気
になって、観るほうとしてはちゃんと緊張感が続いたのが嬉しい。
この犯罪が、一体「本当はなんでなんや!」という点が、いまいち明確じ
ゃないことが、最後までつきまとったことは確かなんだけど、観終わった
後は、そのことを含めてのこの事件なんだよ、と言うしかないようです。
 
なかなかの存在感だったノオミ・ラパスさん、エンドタイトルをなんとな
く見ていたら、製作陣に名を連ねてました。やる気満々だったんですな。
音楽は、ボブ・ディランの歌以外は最低限。

 

クシェネク:ピアノ協奏曲全集 2

20210921(了)

クシェネク:ピアノ協奏曲全集 2

Ernst KRENEK(1900-1991): Piano Concertos (Complete), Vol. 2 
(1)ピアノ協奏曲 第4番 Op. 123(1950) 22:46
  ①Ⅰ、7:14 ②Ⅱ、11:19 ③Ⅲ、4:13
(2)2台のピアノのための協奏曲 Op.127(1951) 14:02
  ④Ⅰ、3:19 ⑤Ⅱ、3:07 ⑥Ⅲ、1:40 ⑦Ⅳ、5:56
(3)ヴァイオリンとピアノのための二重協奏曲 Op.124(1950) 7:15
  ⑧Ⅰ、2:16 ⑨Ⅱ、3:31 ⑩Ⅲ、1:52 ⑪Ⅳ、2:58
  ⑫Ⅴ、3:23 ⑬Ⅵ、1:06 ⑭Ⅶ、2:09
(4)小協奏曲 Op.88(1940) 9:33
  ⑮Ⅰ、0:51 ⑯Ⅱ、1:56 ⑰Ⅲ、1:29 ⑱Ⅳ、0:48
  ⑲Ⅴ、2:24 ⑳Ⅵ、2:05
 
  ピアノ:ミハイル・コルジェフ(1)~(4)
  ピアノ:エリック・ヒューブナー(2)
  ヴァイオリン:ヌリト・パヒト(3)
  オルガン:エイドリアン・パーティントン(4)
  指揮:ケネス・ウッズ/イギリス交響楽団
  録音:2016年9月、英ウェールズ、モンマス、ワイアストーン・コンサートホール
  CD/Ⓟ&ⓒ Toccata Classics、London/クラシック/現代音楽/協奏曲/中古
  <★★★☆~★★★★>

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<Naxos解説> オーストリアで生まれ、ドイツ語を話すチェコ系の家庭で育っ
た作曲家クシェネク。第一次世界大戦時には徴兵されたものの、その非凡な才
能を生かし音楽の研究を続けることでウィーンに留まることを許されたほどの
天才でした。一時はマーラーの娘、アンナと結婚していたことでも知られてい
ます。ナチスに迫害され、アメリカに亡命した後も音楽教師として活動を続け、
1945年には正式にアメリカに帰化、数多くの作品を残しています。ピアノ協奏
曲は7曲ありますが、その内訳は4曲の独奏用、2台ピアノ用、ヴァイオリンと
ピアノの二重協奏曲、オルガンとピアノと音色も多彩。どれもウィーンの伝統
を踏まえ、荘厳なオーケストレーションが施された魅惑的な作品です。
 
ドイツ語を話すチェコ人というと、どうしてもカフカを思い浮かべます。この
方、ナチスに迫害されたとあるが、ユダヤ人とは書いてなかった。
クルシェネクという言い方も一般的らしい(!?) この方、ある意味、ストラ
ヴィンスキーよりもスタイルを変えた「カメレオン作曲家」なんだそうです。
この表現の用い方は、今風に言うと「リスペクトが足りない」感じですけどね。
50年頃の作品が3つ、40年のものが一つ。
いろんな種類の協奏曲が聴けそうだと、第2集を選びました。
 
(1)は独奏がピアノ1台だけのものとしては4つ目。オケの規模も大きくはな
いけれど普通にあって、勿論現代音楽ではあるものの、突飛なところの全くな
いコンチェルト。民族色も出自なんかもワタシにゃほとんど感じられなく、む
しろいわば無色、無特色といった感じでしょうか。そう言っちゃあヘンなのか
もしれませんがね。
ところが、というべきか、聴き馴染んでくると、それが魅力のような気もして
きました。スペクタクルはあるものの、妙に冷静な第一楽章。ひんやりとした
第二楽章のアダージョ。騒ぐのは、第一楽章がティンパニ、第二楽章が小太鼓。
そしてアレグロの第三楽章は、ちょっとだけミリタリーな感じもなくはない。
印象としてはね、なんだかすごくきっちり作られた、先生が作曲したピアノ協
奏曲の「見本」のような作品じゃないかな。できそこなっているようなところ
とか、羽目を外しているところ、主張めいたところ、なんてものはまるでない。
サウンド的には一応現代なんだけれどね。オケと丁々発止というんじゃなく、
音楽的にも協奏曲としても安定感抜群でした。
                             <★★★☆>
 
以下の協奏曲は、各楽章が載せた時間数を見ればわかるように短く、それ
だけでも規模感はない。
(2)ティンパニの一発で威勢よく始まる、ピアノ2台の協奏曲。オーケストラ
は派手に鳴らさないせいか、4番より編成はもっと小さいかも。楽章の切れ目
はほとんどなく、全体としては喜遊曲的。やや長い第四楽章が様々な曲想が入
り乱れて、なかなか楽しい。短いながら、聴き映えがしました。
                             <★★★☆>
 
(3)短い楽章が7つ。オケ規模は(2)と同じぐらいか、更に小さいかも。
ここでの聴きものはヴァイオリン。コンマスのヴァイオリンじゃなく、あくまで
ソリスト
なんとなくだけれど、ピアノよりソロ・ヴァイオリンのほうがこの協奏曲におい
ては上位なんじゃないか。小さいが楚々としたオケとよく合って、魅力的なサウ
ンド。ここまで乏しかった叙情性が感じられるせいだろうか。ま、ヴァイオリン
なんだから当然だが。
お行儀がとってもいいものの、この曲が三曲の中では、作曲家の人となりが
出ている感じ。
                             <★★★★>
 
(4)ピアノとオルガン!これは独特の音色になるんだな。
6楽章あって、各楽章は更に短く、緩より急が少ない・・・ なんてことより、
この曲は協奏曲というよりむしろ、ピアノ四重奏プラスオルガンというぐらい
の編成のようで、あくまで室内楽であって協奏曲じゃない。別にこのアルバム
に入っているのはよろしくないとか言うつもりはさらさらないんですがね。
ついでに聴いてみてよ、という感じ。可愛い曲でした。
                             <★★★△>
 
このアルバムでは、カメレオン/クシェネクのごくわずかな面しか聴いたこと
にならないんでしょう。第1集も聴いてみたい気もするけれど、、、

いや、聴くなら次は管弦楽曲かなぁ。

何も引き合いに出せていない鑑賞記で、我ながらつまらんというか情けないと

いうか。(反省)

「ユーミン」ネタのエッセイ

20211003

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(字が小さかったですね、撮り直せばよかったが、面倒で、そのまま)

 

松任谷正隆の「車のある風景」、JAF MATEという月末近くに届いた小冊子の
レギュラーコラム。
松任谷由実、つまりカミサンをネタにしたもので、『自動車の目線、自転車の
目線』というタイトル。
VOL.37となっていて、きっともう本にできるぐらいの量が溜まっている・・・
カミサンネタも中にたくさん入っているだろう・・・ あまりその記憶はない
ものの、おもしろい回があって、切り抜いてどこかにファイルしたものもあり
ました。ワタシだってもう10回分ぐらいは読んでいるだろう・・・
今回の自転車の題材は面白かった・・・
普通なら、奥さんのことなんか気にしやしないが、なんてったってデビューア
ルバムから長い間、荒井姓の間ぐらいかなあ、気になるアーティストであり続
けましたからねぇ。
ユーミンと夫松任谷の今がちょっとだけ見える・・・
覗き見っぽい・・・
 
10月号・・・
とんでもない数が毎月刷られている雑誌なんで、読んでいる人もまた猛烈に多
いでしょう。どうでもいいことながら、考えてみると、この雑誌のことって、
なにかで話題になったことなんてあったっけ? 聞いたことないなぁ。普通は届
いてもパックを開けられることもなく、ゴミ箱行きの運命。飲食などのクーポ
ンが付いているので、これを楽しみにしているヒトはいるかもしれない。
現実的には小冊子は止めて、NETの世界へ移行するのが一般的だろうが、そう
いう計画はまだないようで、なにか深い~暗い理由でもあるのだろうか。
 
いつも思うんだが、夫松任谷さん、けっこう書き慣れた人。
恐らく車の雑誌に多く書いているからなんじゃないかと想像する。
ユーミンのデビューごろから、そのアレンジに関わっていたのを、1stアルバム
ひこうき雲』を何度も聴いたことで、見ていたジャケットで覚えた名前。とす
ると、随分前から知っていることになるんだなぁ。
ワタシが働き始めて間もないころだから、同じぐらいの年齢かなと思ってプロフ
ィルを見ると、ワタシの方のほうがもう少しジジイだった。
ひこうき雲』のころなんて、彼はまだ二十歳そこそこやったんや。
こっちは倉庫のレコード棚の間を駆けずりまわっていた・・・ 
このころの東芝のLP棚ではユーミンのほか、ピンク・フロイド(例えば「原子心
母」あたりだったか)やビートルズ(「赤」や「白」? まあよく覚えちゃいませ
ん)の出荷が多かったかな。下にはシングル盤が並んでいて、「ニューミュージ
ック」だとチューリップやアリスが売れ始めていたんじゃなかったか・・・
いろんな意味で目新しく、『ひこうき雲』は自腹で買ったように記憶しています。
 
ちなみに、今ウチは、カミサンがバッテリーサポートのママチャリ。ワタシのはバッ
テリーがない普通のママチャリ(ワタシはあまり乗りません)。

 

OMPS「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」

20210923(了)
オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック;

ウィンストン・チャーチル

   ヒトラーから世界を救った男」

  DARKEST HOUR
  ①~⑲
  音楽:ダリオ・マリアネッリ
  ピアノ:ヴィキングル・オラフソン
  CD/サントラ/Ⓟ2017 FocusFeatures/ⓒ2017 ドイツ・グラモフォン/輸入/中古
  <★★★△>f:id:kikuy1113:20211001132547j:plain
クラシック中心のドイツグラモフォンからというのがちょっと変わってますね。
さて、マリアネッリというとイタリア系。
プライドと偏見」(英、2005)、「アレクサンドリア」(スペイン、2009)、
ジェーン・エア」(英、2011)、「アンナ・カレーニナ」(英、2012) など
というヨーロッパのリメイク物の文学的作品も手がけている。
プライドと偏見」を少し聴いたぐらいで、ちゃんと聴くのは今回が初めて。
 
この映画を観た時には、あまり印象的な音楽だとは思わなかったが、ピアノが
多く使われ(ピアノムードもの)、雰囲気は十分あるというぐらいの感じでし
たかね。実際聴いてみたところ、言葉で言えばだいたいそんなところなのです
が、付け加えておきたいことがいくつか。
 
一つは、様々なテンポはあれど、基本、いずれもがいわゆるミニマルミュージ
ックといっていいこと。もちろんそう単純なものじゃなく、オケが様々に絡む。
ミニマルというと、ワタシの天敵のようなフィリップ・グラスという宗家とも
いうべき有名な現代音楽作曲家がいますが、全然ちがう。
二つ目は、繊細に、あるいは重厚に絡む弦(概して低弦)が魅力的であること。
三つ目は、時々咆哮するブラス、その中でもホルンが、ジェリー・ゴールドス
ミスのように耳に残る。
 
えー、まあそんな感じでしょうか。
主題というかテーマは、一つないし二つ。多くの映画音楽がそうであるように、
完全なメロディを構成しているわけでもないのが残念と言えば残念だけれど、
アレンジ~変奏~の上品さからサスペンスフルな重厚さまで、深い音色の優れ
た劇伴(≒劇付随音楽)になっていると思います。そしてミニマル以外に最大
の特色と言っていいのが、派手さはないものの、そこはかとなく感じられる、
「ヨーロッパの映画音楽らしい香り」というか、そういったものが沁み出して
いること。ドラマティック・アンダースコアとしての機能を果たしているにと
どまらず、この「香り」は個性というに足る。ワタシとしては実はそっちが主
なんですけどね。
フィリップ・グラスより、根っこでハンス・ジマーを苦手にしているという意
識が染み出してしまっているような気がします。別にそこまでじゃないと思っ
てるんだけど・・・ ジマーにも時には、ここでのマリアネッリより長くてい

いメロディもある。例えば『グラディエイター』なんかそうじゃなかったっけ

・・・

 
このよく知られた歴史的事実だけでできたような映画、メイキャップの話題性
から観たなんていう方もきっと多いでしょう。でも音楽を意図的に聴いた方は
きっと多くないでしょうね。かく言うワタシも音楽が主だったわけじゃない。
様々な状況が積もり積もってこんな展開になって行った感じを、ミニマルを巧
妙に取り込んだ音楽でもって見事にたたみかけ、支えていたんだということを、
報告しておきたいと思います。

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(タイトルは、説明的な邦題より、原題のほうがよっぽどいい)

映画『プラットフォーム』

20210915(了)

映画『プラットフォーム』

 ガルダー・ガステル=ウルティア監督//イバン・マサゲ/ソリオン・エギレオル
 2019年製作/94分/R15+/スペイン/原題:El Hoyo/DVDレンタル
 <★★★>

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またまた奇妙奇天烈なものを観ました。「プラットフォーム」は邦題らしい。
 
<映画.com>解説から; 
スペインの新鋭・・・が、極限状態に置かれた者たちの行動を通して様々な社
会問題をあぶり出した異色スリラー。
ゴレンは目が覚めると「48階層」にいた。そこは遥か下まで伸びる塔のような
建物で、上下の階層は部屋の中央にある穴でつながっており、上の階層から
「プラットフォーム」と呼ばれる巨大な台座に乗せられて食事が運ばれてくる。
食事は上にいる人々の残飯だが、ここにはそれしか食べ物はない。各階層には
2人の人間がおり、ゴレンは同じ階層にいた老人トリマカシから、1カ月ごとに
階層が入れ替わること、そして食事を摂れるのはプラットフォームが自分の階
層にある間だけ、というルールを聞かされる。1カ月後、ゴレンが目を覚ます
と、そこは以前より遥か下の「171階層」で、しかも彼はベッドに縛り付けら
れ身動きが取れなくなっていた・・・
 

 

ウーン、上記解説のおしまいのところは、かなり飛んでしまっていますね、そ

の辺は、もうちょっと先のシーン。
一部屋は穴以外に出入口はなく、40㎡ぐらいか。 部屋の真ん中の穴 (つま
りプラットフォームの広さと同じ) は1.5m×3.0mぐらいかな。これが一日一
回、上から下へ階ごとに何分づつか停まる。階層は果てしなくあるみたいなが
ら、はじめの想像では200ぐらい。
天井(=床)の厚みは70-80cmぐらいか。穴から覗くと、すぐ下の階は大
半が見える。その下はたいして見えない。上の階は覗かれれば人は見えるもの
の、そうでなきゃ天井の連なりが見えるばかり。
 
はじめに大きな厨房が映って、どうやらこのプラットフォームに乗せられる食
事はここで賄われるらしい。厨房の雰囲気が奇妙で不気味なんだが、結局なぜ
かよくわからない。そもそもこの施設が何なのかもわからない。監獄ふうなも
のか、精神修養のためのものか、ある種の精神病患者のためのものか。
 
 
ここへ来る男ゴランは、この施設に入るためになんだか面接のようなものを受
けているシーンが描かれていた。どうやら普通は自ら進んで入るところではな
さそう。なにか好きなものを一つ持ち込める。彼は本(セルバンテスの『ドン
・キホーテ』)を持ち込む。本を持ち込むのは極めてめずらしいとのこと。
同部屋の人間は実に雄弁なジジイで、この人が選んだのはいくら切っても、な
まくらにならない包丁。銃は許されないんじゃないかと思われるが、不明。そ
れにしても包丁とはなんと先見の明があることか!
 
精神修養かもなんて書いたんだが、実際は監獄のほうが近い感じかな。
プラットフォームに乗る食事の量は上に書いた広さぐらいだから、たかがしれ
ている。150階だとか200階だとかあれば、いくら限られた時間とはいえ
(ほかにもルールがいろいろとある、例えば溜め置けない、とか)、2人づつ
が食っていけば、下へ行くにつれてたちまち少なくなり、どう見ても賄いきれ
るわけがない。食うや食わずの度合いが、ひどいどころではなくなる。腹立ち
まぎれの糞尿や唾等が混ざることになる。食べるものがなくなれば、何が起き
るか・・・
まあ、そりゃ入ってしまえば考えりゃわかるわけですが、入る前、入れられる
前には、ぜんぜんわかっていない。
 
なんだこりゃ!というわけです。まぁとんでもないシチュエーションSF。
変なシチュエーションの映画、これまでにもいろいろありましたが、食うこと
に特化した、これもなかなかのものだと思いました。SF的なのはシチュエーシ
ョンのみならず、50cmほども厚みのあるプラットフォームがどういう動力
や仕組みで上から下へ移動するのかわからないし、いつの間に上に戻っている
のかも(そもそも戻っているかどうかも)わからない。
そういや、月一で階が変わるときは眠っている間らしいが、それだって一体ど
うやって? 
 
えー、十分書いてしまいました。(書きすぎました)
形而上学云々なんて言いたがる向きもあるでしょうが、、、ワタシが人に説明
しなきゃならないとしたら、《ホラーっぽく描く社会学講義》、でしょうか。
よう映画にするわ、こんな話。平山夢明の小説でなきゃ漫画かな・・・
社会学講義などと書きつつ、意味を考えても詮ないようですが、でもまあ、観
てしまえば誰でも何かしら言いたくなってしまう、黙っておくことができない
映画だとは思いました。

ツィマーマン / モダン・タイムズ

20210914(了)

ツィマーマン / modern times 

   Bernd Alois Zimmermann(1918-70)
(1)アラゴアーナ、カプリチョス・ブラジレイロス―バレー(1940-1950)
  ①Ouvertüre 7:16   ②Sertanejo 4:10   ③Saudade 6:26
  ④Caboclo 4:24     ⑤Finale 6:57
(2)1楽章のシンフォニー(1953年版 第2稿)(1947-1953)
  ⑥ 14:23
(3)フォトプトーシス/大オーケストラのための前奏曲(1968)
  ⑦ 16:34
(4)静止と反転 (1970)
  ⑧ 9:10
 
  カール=ハインツ・シュテフェンス指揮
  ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団
  録音;2014年1月、独、ルートヴィヒスハーフェン、フィルハルモニー
  CD/現代音楽/ⓒ 2014 Deutschlandradio Ⓟ2014 Capriccio/墺/輸入/中古
  <★★★△~★★★>

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<NAXOSの紹介ページ>から; ドイツの現代作曲家ベルント・アロイス・ツィ
マーマン(1918-1970)。 彼は様々な音楽を書き、多くの後進を指導しましたが
「自身の作品が理解されないこと」を悲しみ、ピストル自殺を遂げてしまった
のです。そんな彼の作品は、最近「兵士たち」などが注目を浴びたことでよう
やく聴かれる機会が増えてきました。もちろん作品の受容も深まり、CDなど
のリリースも少しずつ増えてきています。
このバレエ音楽「アラゴアナ、カプリチョス・ブラジレイロス」は、彼の初期
の作品。想像以上に楽しい曲で、ヴィラ=ロボスなどが好きな人にはたまらな
いものです。華やかなオーケストレーション、炸裂するリズムなど、全く難解
ではありません。「1楽章の交響曲」も新古典派主義の音楽です。
一転「フォトプトーシス」「静止と反転」は静かな音楽。「静止主義」といわ
れる作風で書かれています。
 

 

よく知られているらしいオペラが手に入れ易そうだったのですが、日本盤がな

く、対訳プロジェクトにもなさそうなので、とりあえずこちらの管弦楽曲にし
ました。音楽で「静止主義」なんて妙な言葉ですね、はじめて聞きます。心臓
が止まって出るフラットライン(縁起でもないけど)を想起しました。まあ順
番に聴いてみます。
 
(1)ヴィラ=ロボスが好きな人にねぇ、、、なるほど。リズムの切れは、バレ
エと謳ってあるにしては、はっきりいって足りない。④なんか、このリズムで
いいんだろうか・・・。演奏のせいがあるのかどうかはわからないんだけれど。
でも、音色については確かに南米だね。それも、ブラジル。どのトラックにも
含まれるテンポの緩やかな部分はとても濃密でよろしい。③のサウダージュな
んか。密林の中というだけでない、カラフルなのに独特の暗さがある。車の中
で聴いていた時にはわからなかったなぁ。これは失礼しました・・・ ④など
バーンスタインの「ウエストサイド・ストーリー」まではもうすぐ・・・と思
ったら、なんとお二人は生年が同じでした。
フィナーレ⑤では、ブラジルだけでなく、お隣アルゼンチンのヒナステラの音
楽も連想しました(素敵なバレー曲ありますからねぇ)し、リズムの物足りな

さも、なんとなくこんな感じでいいのかもしれないと思えるように変わってき

ました。

馴染んじゃいましたね・・・
サンバにもタンゴにも通じるものはありません。最後は、けっこう尖った音に
収斂して終りました。
  <★★★△>
(2)これはいわば改訂版。(1)からリズムを少なくして全体を重々しくした
みたいな感じ。交響曲だろうが交響詩だろうが、一向にかまわないでしょうね。
(1)との違いはリズムの重さと音色の乏しさ、物々しさなんかかな。暗い雰
囲気なんだけれど、深刻な感じはない。ややオーバーな映画音楽というぐらい。
後半に入ったところで、木管のスピード感のあるアンサンブルに突入し、そこ
へブラスも加わってくるところがあって、いよいよ煮詰まったサスペンスシー
ン(ご丁寧にひょうきんなシーンも挟んである)の映画音楽めき、エンディン
グはなかなかのスペクタクル。
  <★★★>
(3)前記より15年ほども時間がたってます。ツィマーマンのアルバムには
よく選ばれる曲のようです。
まあ概して猛烈に大仰な音楽。
現代音楽の物々しさ、わけのわからなさを戯画的に表すのに向いているとい
うか、楽しいかなぁ、これ。
物々しいだけではなくて、抑えて緊張感のある所もいろいろとあって、一口で
は言い表わせない。目まぐるしく曲調が変わっていきます。何を示唆している
のか、ベートーヴェンの「第9」の第4楽章の一部が突如挟まれてビックリ。
もはや映画には使えません・・・て、何を書いてるんだか。
  <★★★>
(4) この曲だけは騒ぎませんでした。
ここまで映画音楽に拘って来てますから、そのついでに言えば、これは静か
で不気味なシーン向き。
ワタシとしては一番聴きやすかったのですが、好きかどうかと言われると困
る。調性のなさが落ち着いて聴けた理由かもしれないけれど、気に入るとこ
ろまではいきませんでした。
  <★★★△>

 

結局最後の曲まで、「ドラムス」が活躍しました。

変な話、これが好きになれなかった原因の一つと言ってもいいかも。
シェーンベルクの『モーゼとアロン』なんか繰り返し聴いていたので、そう
したすごい才能による飽くなき探求心の賜物のような傑作群と較べると、ま
あ、だいぶん凄味にも普遍性にも音楽の楽しさにも欠けている感じでした。
自殺はないと思いますが・・・事情を知らないからエエカゲンなことは言え
ません。

そろそろかもと考えてはいます

(9/20のメモから)

シニアもスマホ 広がれ
 70歳以上の6割「使用せず」…自治体が普及策
  購入費を補助 ■ 使い方教室
   コロナ・災害・・・情報届く環境を (9/20 朝日の三面記事)
6つの市町村が紹介されている。
見出しはこんなもんだが、、、ワタシも使っていないので気にはなる。
どこでもというわけじゃない、まだほんのわずかな自治体の施策だし、補助に
条件なんかもある。
ワタシだってわかっていて、もう今のガラケーは補償がない、修理は利かない。
バッテリーがイカレタだけでスマホにするしかない。
携帯を持たないという選択肢ももちろんある。

でも、持つしかないだろうな。お金の扱いや貨幣のスタイルが変わるだけじゃ

ないだろう・・・。

DVDをレンタルする時や給油するときなど、LINEをやっておられれば云々とか、
QRコードを読み取っていただけば云々とか、要はインセンティブやニンジンを
くどくどとぶら下げてくれるもんだから、レンタル屋でつい、『スマホ持って
いないと「人間じゃない」、「客とは言えない」みたいな扱いやないの!』と、

きつめの口調で店員に言ってしまったことがある。筋違いで無駄なことだし、

悪かったとは思うんだが、、、本心でもあった。

ニュースは、新聞を見て遅くて困ることはないし、テレビをけっこう見てるし、

ライフラインの料金などはもちろん引落とし。パソコンも眺めるから、今以上

の情報量はなくてもほぼ困らない。

スマホを四六時中触っている(触りすぎ!)カミサンに、急にわからない事柄

などが出てきた時、調べてもらうことはある。

これでも、バカにはしていない。

「教えたるよって、スマホつこてえな」

「・・・」

役所が言ってくることもあり得るんやね。

 
同じ日の新聞で、文春新書の9月の新刊として、隅っこに載っていた宣伝・・・
スマホ危機 親子の克服術』
 親が知らない驚くべき実態
  SNSトラブル、ゲーム依存、LINEいじめ、不適切動画、性被害――
  「見えない罠」から子どもを救うには?

これはこれで、親も大変やのぉ。

 

ところで、ジジババは、こういうの覚えるのに、時間取られとうはない。好奇
心というのとちょっとちゃうんよ。
替えるとしても出来るだけ機能は限定して、、、
でも教えていただくしかございませんなぁ。カミサンに教えてもらうと、ケン
カのしっぱなしになりそう。

これからも進むであろうウェアラブルな形だとか、3Dふうなものまでは要らな

い。

(いや、なんと言うかわからへんなぁ、その時になってみーひんと)
 
柴犬娘との散歩は、あまり人が多くないところを通りがちなので、人とはそん
なに多くは出逢わないが、それでもちょいちょい見かけるのが、年配者が公園

で佇んだりベンチに腰掛けたりしながら、真剣そうにスマホをいじっていると

ころ。その真剣さに反応してしまう。

あんな風になるんだよな、きっと・・・と。(嫌や)

 

本日は鑑賞記はパス・・・

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 散歩中、こっちがストレッチを始めるとすぐ、こんなふうに寝そべってしまう。

 はじめは間が持たんようで、うじうじしていたが、今ではたちまちこう。時に、

 鼻からごく軽く一発「フン!」とため息のような息を吐く。