休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』

20210625(了)

映画『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』

  監督:フェリックス・チョン//チョウ・ユンファ/アーロン・クォック

                チャン・チンユー/キャサリン・チャウ
  2018年製作/130分/香港・中国合作/原題:無雙 Project Gutenberg
  <★★☆>

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【映画.com】解説より;・・・偽札造りの達人が犯罪の連鎖に巻き込まれて
いく姿を、予測不能な展開と迫力のアクションで描いた。偽造画家のレイは
タイで逮捕され香港に護送されるが、高名な美術家ロアンによって保釈され
る。時はさかのぼって90年代のカナダ。レイは画家として成功を目指すがな
かなか認められず、絵画の偽造に手を染める。そんなある日、「画家」と名
乗る男に腕を認められたレイは、彼の運営する偽札組織で働くことに。米ド
ル紙幣の偽札発見テクノロジーの進化をあざ笑うかのように、レイの偽札造
りは世界を席巻していく・・・
 
いつも通り、大雑把な解説ですが、明かせないことがあるので、正確には書
けません。
この偽造画家レイが捕えられ、しぶしぶ漏らし始める「真相」がそのままス
トーリーになって行きますが、実は裏があって・・・というようなことです。
『・・・』だけじゃなく(映画「・・・」を明かすとばれる部分がある)、
その他でも、なにか似たような作りの作品を観たことがあるようなデジャヴ
感がありました。でもそっちは思い出せませんでした。
あっ!やっぱりそうか。なんてしったかぶっても始まりません。

 

そして、贋はお金だけじゃない。

エンディングにちょっと引っかかったのですが、見直しはせずじまい。
それなりに楽しみましたし。
 
米ドル札というと、先日、『新 感染半島 ファイナル・ステージ』。
こんなにゾンビが広がってしまっている世界なのに、とりあえずは米ドル札
への欲が通じる世界でもあるというを見たばかりですねぇ。単なる設定とし
て、そうしておいたというだけなのかもしれませんけど。
そうそう、本作は「香港・中国合作」になっています。奇妙な気ィしません? 
それとも(皮肉を込めて)かの国は偽物には慣れ親しんでいるから、問題な
し、お咎めなし、、、なんてことあるんだろうか。

テイク6/ジョイン・ザ・バンド

20210628(了)

TAKE6/Join The Band

01. Can't Keep Goin' On And On
02. All I Need (Is A Chance)
03. My Friend - (with Ray Charles)
04. It's Gonna Rain
05. You Can Never Ask Too Much (Of Love)〈David Foster/L・D・Thompson>
06. I've Got Life
07. Stay Tuned (Interlude)
08. Biggest Part Of Me
09. Badiyah (Interlude)〈Maurice White〉
10. Harmony - (with Queen Latifah)
11. 4 Miles (Interlude)
12. Even Though
13. Why I Feel This Way - (with Stevie Wonder)
14. Lullaby〈Ivan Lins〉
 
  CD/ヴォーカルグループ/ⓒ&Ⓟ 1994 WEA/Riprise/輸入/中古
  <★★★★>

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2作目だろうと思って手に入れてみたら、4作目。といってももう26年も
前のアルバム。これもグラミー賞を獲得している。
 
デビューアルバムを4月に聴いて、気に入ったんだけど、ゴスペルやR&B
ジャンルばかりなので、ハーモニーの見事さや乗り等、貶しようのない見事
さにも拘らず、何度か聴くうちに、しばらくは聴きたくないというか、飽き
ちゃった。
 
それにひきかえこのアルバムは、アカペラはむしろ少ない(完全にアカペラ
なのは03,05,14ぐらい)んだが、それに不満はない。楽器がしっか
り鳴るときは、ジャズ系フュージョンのセンスがとてもいいし。(ハービー・
ハンコックの名をどこかで見ました)
そんなことより、1stアルバムとすっかり違うのが、曲調、ジャンル等の
ヴァラエティ。そのバランスがとても優れていて、ゴスペルやR&Bへのこだ
わりがなく、目配りが行き届いていると感じました。勿論そのことで、逆に
不満を持ったファンもいるかもしれないですけどね。でもとにかくワタシは
それで飽きが来なかったのだと思う。
それに、ところどころで明らかに「シンガーズ・アンリミテッド」で多く聴
かれたハーモニーが使われていたのが嬉しかった。
 
聴くのはまだ2枚目ですが、こいつは傑作でしょう、どうですか?

 

 

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グラミー賞受賞作>   

 Take 6(1989)

 Spread Love(1989、曲)

 The Savior Is Waiting(1990、曲)

 So Much 2 Say (1991)

 He Is Christmas(1992)

 Join the Band(1995)

 Brothers(1998)

 Love's in Need of Love Today with Stevie Wonder(2003、曲)

梅雨の散歩 柴とクビアカのこと

毎度のネタです・・・

7/4(日)

 
パートとはいえ、仕事は仕事で、基本的に夜専任だから、犬の散歩は
昼過ぎに近い時間帯、午後2時過ぎ頃からすることが多い。
仕事がない場合はもう少しあとの、夕方に近い時間帯でやる。
昼過ぎでは、さほどたくさんの犬に出逢わないけれど、夕方になると、
そんなにいるもんかというほど、わらわらと散歩者がいる。
近ごろなにかで見聞きしたところによれば、飼い犬といっても、外で
(≒庭で)飼われているのはせいぜい2割程度で、それ以外は普段は
家の中にいる。
だからまあ、そういうこと。
散歩中、家の中の犬はカーテンの隙間などからじっと外を伺っている
んだろう、ウォンウォン、キャンキャン、様々な吠え声がこっちに向
けられているのがわかる。
ウチの柴犬娘はこのごろでは慣れてしまって、吠え声のほうをほとん
ど見なくなってしまった。

ウチは、食事と夜寝る時以外は幸いなことに外に出せています。外に

犬小屋はありません。家の中には申し訳程度のがあります。

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出逢う犬のうちの半数強が柴犬。黒と茶は半々かな。
よくは知りませんが、黒は茶より大分値が張るらしい。

でもこんなにいたんじゃ、いつぞやも書いた気がしますが、流行とか、

ブームと言っていい。

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ところで、柴の額から鼻へかけてのストレートに近い線などは、日本狼
と遺伝子的に近いということを表わしていると聞いたことはありますが、

そのルーツはよくわかりません。これはワタシが知らないだけです。詳

しく書かれたものがきっとあるんでしょう。

そういうルーツ的な話に水を差しかねない話を、新聞で読みました。

上掲、6/19の新聞(夕刊)/「はじまりを歩く」2ぺージ見開き。

大雑把に言うと、戦前まで分かっていたらしいルーツがあいまいになっ
て、危険を感じた方が、戦後すぐ(ワタシが生まれたころ)、ある理由

をもとに探し出した柴犬を、そのオリジンということにする決断をした、

なんていうようなことです。当然いろいろとあって、それには島根と高

知にまたがった経緯があるんだそうな。

実はウチのコにも一応血統書みたいな書類がついてきたんですが、子を
産ませるつもりはないから、特に興味は持たなかった。とはいえ、この

書類のもとったって、「祖」は思いのほか新しいということになるよう

でした。

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添付は7月4日の、ののちゃん
ポチのダレ具合を見て、今のウチのコも似ていて、散歩中元気があると
は言えない。ボールも家の中に入らないと追わない。病的というんじゃ
ないんだが、暑さにまいっていてヒーヒーハーハー、まだ終わらないの
かってな様子。走るのも当然イヤ・・・
 
梅雨の湿気のある暑さは人間にもきついが、柴はもともと毛が二段構え
で多い。それにこの夏用にあまり生え変わらなかったような気もする。
しかも、この飼い主(ワタシのことですな)は、今、クビアカツヤカミ
キリの殺戮にしゃかりきで、犬の散歩本来の歩き方をしない。コース内
のサクラの樹をめぐって、でたらめに連れまわす。虫を見つけてはター
ミネイトを繰り返して、しばしば柴犬娘を放置(文字通り)する。

彼女は近くでおとなしく待ってくれている。時間がかかると、始めの写

真のようなスタイルを採る。こうしたこともダレる要因かも・・・

(もうちょっと我慢してな・・・とかなんとか声はちょくちょく掛けて

るんですけどね)

 
クビアカ、今夏の最初は6/19で、まだまだこれからもやっつけるだろう
が、これまでに235匹! 既に去年のトータルの倍以上。
去年より念入りに探しているという傾向もなくはないけれど、もっと確
実なのは、カミキリが(その孵化数が)増えているということだろうな。

つまり、多くの桜の樹の枯れてしまうスピードがどんどん上がっている

ということ。

 

今日はめずらしいものを見ました。

若い夫婦と幼稚園児ぐらいの子供がね、虫捕りついでに、クビアカ退治

をやっていたのです。

子供が見つけ、お父さんが網で捕って、地面で踏みつぶしてました。

こういうのが増えないとだめでしょう。それでも間に合わないかも。

ワタシは赤いワンピースの奥さんと、二言三言喋りました。

「いやぁ、こんなに桜の木が大変なことになってるなんて、最近まで知

らなかったんですぅ・・・」

 

 

『パブリック 図書館の奇跡』

20210617(了)

映画『パブリック 図書館の奇跡』

  監督&主演:エミリオ・エステベス//アレック・ボールドウィン/ジェナ・マローン/
  クリスチャン・スレイター/テイラー・シリング/ジェフリー・ライト
  2018年製作/119分/G/アメリカ/原題:The Public/DVDレンタル
  <★★★△>

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《映画.com》解説から; ・・・映画監督としても活動するエミリオ・エス
テベスが製作、監督、脚本、主演を務めたヒューマンドラマ。オハイオ州シン
シナティの公共図書館のワンフロアが約70人のホームレスたちに占拠された。
記録的な大寒波の影響により、市の緊急シェルターがいっぱいで彼らの行き
場がなくなってしまったのだ。彼らの苦境を察した図書館員スチュアートは
図書館の出入り口を封鎖するなどし、立てこもったホームレスたちと行動を
ともにする。スチュアートにとってそれは、避難場所を求める平和的なデモ
のつもりだった。しかし、政治的イメージアップをねらう検察官やメディア
のセンセーショナルな報道により、スチュアートは心に問題を抱えた危険な
容疑者に仕立てられてしまう・・・
 
「公共の図書館はこの国の民主主義の最後の砦だ、戦場にさせてたまるか」
最初はちょっと煮え切らなかった図書館のボスが、半ばも過ぎてからだった
か、自分が立つべき立場をはっきりさせて言う言葉。
 
アメリカの抱えるいろいろな問題のうち、いくつか詰め込んで、ハードでは
なく(というか、ハードな面は見せることなく)、ごく緩いエンタテインメ
ントに仕上げている。
こんなふうに、優しくありたいもんだという、希望や期待を込めているんだ
ろうなぁ。

薬にならなくても、決して甘いということはない。こういうお話もアリだと

思いました。

 

シンシナティといえば、、、

シンシナティ・レッズには、今、秋山選手がいて・・・MLB、つまり野球の

大リーグのことです、好きなので、シーズン中は結構観てます・・・といっ

ても、レッズについちゃあ、大谷と違って秋山がレギュラーではないため、

彼のためにレッズの試合を中継放送することは基本ないのですけどね・・・

今彼は代打が主で、与えられたチャンスには必死に喰らいついて頑張ってま

す・・・ ハイ、どうでもいいことでした。

 
このごろ、図書館に行ってないです。
そのことがちょっとだけ気になります。

住まいから最も近い図書館は、犬の散歩コースの一つからそう遠くない。

パートの職場の自主事業のために作られたチラシを置いてもらえるよう、頼

みに行くことが時々ある程度です。

ドッグランのようなのがあるといいんだが、、、と言ってそこに入れたまん

まというのもアカンかぁ。

そうそう、照明がちょっと暗い。
この映画ぐらい明るい方が、ワタシャいい。

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シェーンベルク/期待・月に憑かれたピエロ・山鳩の歌

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク  4/11

   Pierre Boulez conducts Schoenberg(1874-1951):

        Chamber Works・Orchestral Works・Vocal Works

20210608(了)

【CD4】 75:47
(10)モノドラマ『期待』op.17 D1〜D8 
     ジャニス・マーティン(Sp)、BBC交響楽団
(11)月に憑かれたピエロ op.21 D9〜D29 
     イヴォンヌ・ミントン(語り)、ダニエル・バレンボイム(P)、ピンカス・ズッカーマン(Vn)、
     リン・ハレル(Vc)、ミシェル・デボスト(Fl)、アンソニー・ペイ(Cl)
(12)山鳩の歌 D30
     ジェシー・ノーマン(Sp)、アンサンブル・アンテルコンタンポラン

 

  全ての指揮;ピエール・ブーレーズ
  録音;1974~1986年
  Ⓟ&ⓒ 2013 Sony Music Entertainment/11枚組/現代音楽

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【CD4】
(10)モノドラマ『期待』(1909)
  <★★★☆>
ソプラノ歌手1人のみが登場するこのオペラは・・・フロイトの複雑な意識
下の世界を描いたものであり、1人の女性の性的意識から生じたグロテスク
で悪夢のような幻想を扱っている。シェーンベルクの作品でしばしば登場
する「月光下の世界」のイメージは、このオペラでも重要な位置を占め・・・
 確証があるわけではないが、フロイト流の音楽による劇の最初の作品とも
言われている・・・etc.(Wikiから)

 

モノドラマ『幸福の手』も妄想の中に分け入るが、こっちはフロイトの世界。

ワタシなど、ついエロティシズムを連想してしまう分かりやすい人間ですが、
歌詞/言葉がわかるわけでなし、色っぽさもエロティシズムなんてものもま

るで感じられず、確かに心の闇や狂気のほうなら、いくらか伝わってきまし

た。

オーケストラのサウンドがすばらしく、(7)と同じような楽しみ方になって
しまいました。
 
(11)月に憑かれたピエロ(1912)
  <★★☆>
正式な表題は 『アルベール・ジローの「月に憑かれたピエロ(ドイツ語訳オットー
・エーリヒ・ハルトレーベン)」から採った全三部各部七篇の詩。シュプレヒシュティ
ンメ(語りの声)、 ピアノ、フルート (ピッコロと持ち替え)、クラリネッ
ト(バスクラリネットと持ち替え)、ヴァイオリン(ヴィオラと持ち替え)、チェロの
ためのメロドラマ』。

・・・ドイツ語版の詩集から選ばれた21篇が、7篇ずつ3部に分けて曲付けが

なされている。

 第1部:「月に酔い」「コロンビーナ」「伊達男」「蒼ざめた洗濯女」
      「ショパンのワルツ」「聖母」「病める月」
 第2部:「夜」「ピエロへの祈り」「盗み」「赤いミサ」「絞首台の歌」
      「打ち首」「十字架」
 第3部:「郷愁」「悪趣味」「パロディ」「月のしみ」「セレナーデ」
      「帰郷」「おお、なつかしい香りよ」

以前のように詩を日本語で一通り読んでみました。やっぱりワタシには歯が

立たない。

作曲者からかなり詳細に指定されたシュプレヒシュティメですが、物語性は
ほとんどなく、ムード主体の詩。語るでもなければ歌うでもない。もともと
苦手な曲なのですが、その感覚は、これまでと変わりませんでしたね。
サウンド自体は決して嫌いではありません。
 
そのシュプレヒシュティンメ(Sprechstimme/話し声⇒語るように歌う)
に関する作曲者自身の説明、貼り付けてみましょうか・・・

 

 シュプレヒシュティンメのパートに記譜されている旋律は(特に指示のあ
るいくつかの例外を除いて)、歌うためのものではない。演奏者は、記譜さ
れている音の高さを考慮に入れた上で、この旋律をシュプレヒ・メロディー
(語る旋律)へと移し変えねばならない。この時、以下の点に留意しなけれ
ばならない。
 I)演奏者はリズムを歌唱の時と同様に、正確に遵守しなければならない。
  つまり演奏者に与えられている自由は、歌唱旋律の場合許されている以
  上のものではない。
 II)演奏者は歌う音と語る音との相違を厳密に区別していなければならな
  い。歌う音には変更の許されない一定の高さが定められている。語る音
  にも高さは与えられているが、この高さは語る時には、より高い音、あ
  るいはいはより低い音に置きかえられて、遵守はされない。演奏者が特
  に避けなければならないのは、《歌うような》語りの調子に陥ってしま
  うことである。これはまったく作曲者の意図ではない。
    ― シェーンベルク、エーベルハルト・フライターク著、宮川尚理訳
          『大作曲家 シェーンベルク音楽之友社・・・より引用
 
比較して聴く意味があったかどうかあやしいけれど・・・とりあえず比較し
たのは、P・ヘレヴェッヘ指揮のハルモニア・ムンディ盤。このシュプレヒ
シュティンメの芝居っ気というか、オーバーな表現はものすごいもので、較
べてみて初めて分かった。これはむしろ、作曲者の意図ではない「《歌うよ
うな》語り」に近いかも。もっとも、だから少しは好きになったかというと、
残念ながらそんなことは起きませんでしたけどね。
 
やっぱりダメだったというのに、長くなりました。
 
(12)山鳩の歌
   <★★☆>
これは「歌」。当たり前ですが、ずばり歌で、歌を楽しめなくちゃ多分あま
り意味のない音楽でしょう。調性もちゃんとある。
歌うはジェシー・ノーマン。ここまで太いソプラノをワタシはほかに知らな
い。このすごい声を意識しないで、オケ伴のみを楽しむのは無理です。
 
 
さてさて、CD5とCD6は苦手なずばり歌物です。
歌詞もわからんし・・・なにか楽しめるものを見つけなきゃあ・・・

『今日から第二の患者さん』

20210614(了)

漫画『今日から第二の患者さん』    

      がん患者家族のお役立ちマニュアル/青鹿ユウ
1、だいじょうぶ
2、私、支える人
3、いよいよ手術
4、どうする?しごと
5、おかねと保険
6、ちょっとまって!アドバイス
7、退院後は不安がいっぱい!?
8、「だいじょうぶ」は大丈夫!?(前編)
9、「だいじょうぶ」は大丈夫!?(後編)
10、発見!話し合いの秘訣
11、ツラさの順位
12、陥りやすい落とし穴!?
13、ありがとうエピソード
14、今日から第二の患者さん
   あとがき
   オット君のあとがき
 
   2017年5月/マンガ/小学館/中古
  <★★★☆>

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「第二の患者」というのは、癌患者の家族のことで、患者本人と同様の
感情や苦しみを抱くことから、そう呼ばれるんだそうな。
 
比較的若い漫画家夫婦の夫(仮にオット君という名にしている)が大腸
癌になって4年強の体験を漫画に綴ったもので、若い人にも役立つんじ
ゃないか(≒受けるんじゃないか)と、まとめてみたもの。
子どもはいないよう。猫が描かれている。
 
発覚当初は、同棲はしていたものの、結婚はしていなかったみたい。
でもこれ読んでると、ちゃんと夫婦やってる。
ノホホンとした彼と支える気満々の彼女(筆者)は、はじめっから、よく
頑張っているけれど、なにかと互いにぶつかったり、周囲を気にしすぎた
り、気にされ過ぎたりと、いろんな状況に陥る。その都度、そう簡単なは
ずはないけれど、打開策のようなものにヒーヒーと言いつつたどり着いて
行く。その一つ一つが章になっていて、途中ではチェックポイントとして
まとめたりする時もあるが、おしまいには、必ず、「きっとこういうこと
なんだな」という、まあ、これが狙いのまとめで、これを並べれば、確か
にマニュアル本っぽいと言えなくもないですね。
 
もうどうしようもない状態になってから癌だとわかり、おだやかに逝く方
法を探すしかなかったワタシのオヤジのことをつい思い出しましたが、そ
れはさておき、早期発見であれば、このようなマニュアルは、とてもいい。
彼女の前のめりによるアップダウンや、兄弟・親戚・友人たちの千差万別
の反応に翻弄される状況は、「第二の患者」という「患者」たらしめ、言
得いて妙。
そしてそうしたものを克服して行くために、彼と彼女が一つ一つ話し合っ
て行くことの大事さなんぞ、つい自分だったらと置き換えちゃいましたよ、
癌になってもいないのに。
ワタシは、曲折はあってもこの二人の間での実に様々な話し合いが持たれ
ること自体が、もっとも優れたマニュアル部分だと思いました。
ずばり、自分だと欠けることになるであろうこと、が響いたわけです。
この歳になっても(この歳になったからか?)彼らのように話し合うこと
は、多分ようせんのやないかなぁ、わからへんけど。

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日本人の三分の一近くが癌で亡くなるなんて言われている。

ラッキーなことに、ワタシの周りには、癌で亡くなった人やキャンサー

キャリアーは、三分の一もいない。

・・・

この歳になっては、こんな感想文書いているほど悠長なことじゃいけな

いかもしれない。

気を付けていることは、少しはありますが、気を付けていない部分もた

くさんありますしねぇ。

 

※古いデータですが・・・

  1位:悪性新生物(≒癌)    28.5%
  2位:心疾患        15.5%
  3位:脳血管疾患       9.9%      
  3位:肺炎          9.9%
  5位:不慮の事故       4.8%
  6位:老衰          4.2%
  7位:自殺          2.3%
  その他           24.9%  (H23年、厚生省)
イメージ 1
 

 

『冒険者たち』と『サムライ』の音楽

20210620(了)

サントラ/

   冒険者たち』&『サムライ』

  ①-⑪ Les Aventuriers 22:15
       <★★★☆>
  ⑫-㉑ Le Samouraï 21:44
       <★★★★△>
   ㉒-㉓ Le Samouraï se remixe(パート1&2)6:02
   作曲:フランソワ・ド・ルーベ(1939-75)
   CD/2005年/仏Universal/輸入/中古
 
     映画「冒険者たち」 1967年/R・アンリコ//A・ドロン/R・ヴァンチュラ/J・シムカス
     映画「サムライ」 1967年/J・P・メルビル//A・ドロン/N・ドロン/F・ペリエ

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シェーンベルクのセットものの途中になにか挟もうと考え、まるっきりジャン
ル違いのものを選んだ。
そんなにシャカリキに追いかけた音楽じゃなくて、まあ思い出深いからという
くらいの感じでした。どちらも学生時代に観て、そこそこ覚えているのですが、
音楽のほうでは、断然『サムライ』を強く意識しての選択。人気としては映画
も音楽も多分『冒険者たち』のほうが高いでしょうねぇ。
 
聴くのは本当に久しぶりです。
 
冒険者たち』;
“ブリージーな口笛とギターによる第一主題と、スリリングなピアノとストリン
グスによる第二主題の組み合わせとなっており、スコア全体がこの2つの主題の
バリエーションで構成されている” 
と紹介されている通りで、口笛のメロディは一世を風靡したもの。
よく知られたクリスティアーヌ・ルグランのスキャットだとかジャズっぽいサ
スペンスなんかも、ド・ルーベのものはみな独特だけれど、ほとんどが始めに
書いた口笛のメロディに収斂してゆく感じ。それが人気でもあると思う。
レティシアという名の女性を演じたジョアナ・シムカスが素敵でね、一時的に
熱を上げ、その後意外と早めに冷めたものの、印象は強かった。
二つの主題がものの見事にアレンジされ組み合わされています。と書きつつ、
アルバムとしてのまとまり具合は『サムライ』ほどじゃないんですけど・・・

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『サムライ』;
“アパートの狭い室内にたたずむジェフを捉えたタイトル・バックに流れる「Le 
samouraï」 が、主人公の孤独感を見事に表現している。サスペンスフルなイ
ントロから寂寥感に満ちたオルガンによるメインの主題に展開・・・”
という映画音楽サイトの主の解説。
曲調のヴァラエティの点では『冒険者たち』のほうが断然勝っている。
となれば『サムライ』は単調なんじゃないか。
実際それは正しいんだけれど、それが退屈にならない。曲調のつながり具合や
調子(≒雰囲気)に統一感があってまとまっているのがいい。
考えてみると、メインタイトルをはじめとして、「ミニマル・ミュージック
という言い方もできる。それくらいどのアレンジも余計なものが削ぎ落とされ
ている。ミニマルであっても(かどうか、確かではありませんけどね)こんな
ふうにニュアンス豊かな音楽になる。その見本みたいなもの。ミニマルには警
戒するワタシが、こんなことをつい書いてしまう。
今回じっくり聴いてみて、嬉しいことに非常に魅力的でした。ほれぼれします。
この独特さ加減、今はもう忘れられてしまっているんだが、勿体ない話や。
 
「サムライ」のあとに2曲ボーナストラックがついています。一つはピアノだ
けの「原曲」っぽいもの。二つ目は、このころにはなかったリズムと合わせた
りしていて、多分あとでつけ加えたリミックス・ヴァージョン。なくてもいい。

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どちらも映画のムードや色彩にバッチリ合ってましたっけ。
そしてどちらも小編成。こんなにセンスいっぱいの音楽を付けて、映画を食

うぐらいに印象に残る仕事をした、稀有な才能の音楽家だったと思います。

(この1枚で断言することではないか。もっと聴かんとアカン)

1939-75 とあるから、ド・ルーベ、随分若くして亡くなったんですねぇ